タミヤやバンダイをはじめ、主要な模型メーカーの多くが本社・生産拠点を置き、「世界の模型首都」とも呼ばれる静岡県。ここで毎年5月に開催される日本最大級の模型イベントが、「静岡ホビーショー」だ。53回目となる今年は、5月15~18日まで4日間の開催(一般公開は17・18日)。一体どんな内容のイベントなのか?

昨年は8万1,800人もの来場者を集めたという(写真はすべて過去の「静岡ホビーショー」の様子)

有名模型メーカーが注目の新製品を発表

「静岡ホビーショー」は、いわば模型の見本市。プラモデルやラジコン、鉄道模型などの有名メーカーが一堂に会し、未発表の新製品を中心に展示を行う。今年は、模型専門誌の出版社などの関連企業も合わせて約80社が出展の予定だ。

例年、前半2日間は業者招待日として開催されており、世界中からバイヤーが集まり、卸問屋のブースも設置され、活発な商談が行われる。週末にあたる後半2日間は、入場無料で一般公開され、親子連れから模型ファンまで、約8万人もの来場者でにぎわう。

レースカー、戦闘機、ガンダムなどのプラモデルをはじめ、ラジコンや鉄道模型、モデルガンの新作が展示される

アマチュア自作の模型が並ぶ「モデラーズクラブ合同作品展」も同時開催。改造あり、フルスクラッチあり

各社ブースではアウトレット品やイベント限定アイテムなども販売され、これを目当てに訪れる人も多い

一般公開日だけのお楽しみとして、両日先着1,000名の児童にプラモデルがプレゼントされる恒例企画があり、開場前の長蛇の列はおなじみの光景だ。また、国内外から200を超える模型同好会が集まり、自作の模型を展示する「モデラーズクラブ合同作品展」の併催も慣例となっている。俳優・石坂浩二さん率いるプラモ愛好会「ろうがんず」などの有名クラブも参加するとあって、メーカーの新製品発表に負けず劣らずの人気を見せる。

各社ブースでは、メーカーアウトレット品や、「静岡ホビーショー」限定アイテムの販売もあり、マニアによる争奪戦が繰り広げられること必至。会場内の別施設では、「モデラーズフリマ」という模型関連のフリーマーケットも開催され、掘り出し物を求めるコレクターで毎年ごった返している。

戦車展示や工場見学などのお楽しみも

毎年、ホビーのビッグイベントに華を添えるアトラクションも好評だ。屋外には自衛隊広報コーナーが設置される。陸上自衛隊による車両の展示が行われ、海上自衛隊の制服も試着できることから、ミリタリーファンや子供たちに人気だ。今年はなんと、タミヤが模型化した縁で、最新鋭の「10式戦車」が展示されるというから大ニュースだ。

毎年恒例の自衛隊広報コーナーでは、制服の試着や車両の展示が行われる。今年は「10式戦車」の展示が決定

タミヤ本社ではプラモデルができる様子を間近で見学できるほか、模型化された実車の展示も楽しめる

同ショーの会場だけでなく、静岡市内全体で連動企画も開催される。内容は毎年少しずつ異なり、過去にはバンダイホビーセンターの見学会や、静岡鉄道の車両見学撮影会などが行われたこともある。今年、開催が決定しているのは、タミヤ本社の見学会。金型工場や射出成型機の実演や、模型化された実車の展示などを見られる。ミニ四駆工作教室や走行体験も行われるとのことだ。

「第53回静岡ホビーショー」の主催は静岡模型教材協同組合。「ツインメッセ静岡」(静岡県静岡市)にて、18日まで開催される。一般公開日の開場時間は17日が9~17時、18日が9~16時。入場料は無料となっている。