ジェイアイエヌは2015年春から、アイウエアブランド「JINS」より世界で初めて三点式眼電位センサーを搭載したアイウエア「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」を発売する。価格は未定。
世界初の技術を使用
同商品は、「自分を見る」をコンセプトに同社が産学共同で研究・開発した"センシング・アイウエア"。脳の出先器官である"眼"の情報をとらえることで、同商品をつけた人の疲れや眠気などの可視化を実現した。
三点式眼電位センサー |
人の眼球は、角膜側が"正"の、網膜側が"負"の電荷を帯びている。その電位差を「眼電位」といい、眼球運動にともなう眼電位を検出する「眼電位センシング技術」を研究することで、世界で初めてアイウエアにも応用可能な「三点式眼電位センサー」(特許出願中)の開発に成功した。センサーを搭載した鼻パッドと眉間部分から検出される眼電位により、八方向の視線移動とまばたきをリアルタイムで測定できるという。
3つのシーンで疲労や眠気を管理
同商品で取得したリアルタイムデータは、スマートフォンの専用アプリケーションを通じて、「オフィスシーン」「ドライブシーン」「フィットネスシーン」の3つのシーンに応じて表示される。
「オフィスシーン」では、眼の動きから疲れや集中度を割り出して、同社が独自に開発した疲労指数「me(ミー):Mental Energy」を通じて可視化。オフィスなどでの疲労を、使用者が常にマネジメントできるようにする。
「ドライブシーン」では、同商品を装着したドライバーの眠気の兆候を事前に察知し、アラートする機能の構築を目指している。眠気が増したドライバーの特有の眼の動きをヒントに、芝浦工業大学・加納慎一郎氏との共同研究によって独自のアルゴリズムを構築する。
「フィットネスシーン」では、フレームに内蔵した六軸(加速度・角速度)センサーにより、頭部の微細な動きを検知。腕などに装着するデバイスよりも正確に、歩数カウントや活動量の計算を行うことを可能にする。また、専用のアプリケーションにより、ランニングや歩行中の体の傾きやブレをリアルタイムに把握することも可能。「体軸」や「体幹」を意識した最新のトレーニング理論を、使用者が手軽に実践できるようにする。
別売りのアタッチメントも
同商品のデザインは、「Audi A6」など数々のプロダクトデザインを手がけたSWdesignの和田智氏が監修。日常的に使用することのできる「普通のメガネ」としてのたたずまいを保ちながら、テクノロジーと機能性を融合させたデザインを実現した。
フレームは、ファッション用から普段用まで幅広く使えるウェリントンタイプ、ビジネス用途にも向いているハーフリムタイプ、スポーツやドライブシーンに最適なサングラスタイプの3種類。ユニセックスで、各1色(ブラック)の展開となる。
別売り予定のグラスバンド |
充電式の内臓バッテリーは約8時間の連続使用が可能だが、約16時間の長時間使用やデータ保存容量の拡張が可能なグラスバンドも別売りする予定(価格未定)。なお、サングラスタイプ以外は追加料金で度付レンズへの交換ができる。