ワーナー・ホーム・ビデオ / デジタル・ディストリビューションは4月23日、SF映画『ゼロ・グラビティ』のブルーレイ&DVDをリリースした。それを記念した特別試写会が同日、「UDX Theater」(東京都・千代田区)にて行われ、元フィギュアスケート選手・安藤美姫さんと宇宙飛行士の山崎直子さんがゲストとして登場。果てしない宇宙へと放り出されてしまった女性宇宙飛行士の主人公にちなみ、女性として、そして母としてのトークを繰り広げた。
空に励まされた選手時代
同作品は女優のサンドラ・ブロックさん演じる女性宇宙飛行士が、突発的事故により宇宙空間へと放り出されるという絶望的な状況から、地球への帰還を目指す物語。「宇宙の映画なのでシックに、いつもと違った感じで」と黒の衣装にゴールドのアクセサリーで登場した安藤さんは、アメリカで同作品を見たという。「今までの宇宙のイメージはキラキラしてきれいなものだったけど、この映画は真逆。暗い宇宙がリアルに再現されていて、まるで一緒に宇宙にいる気分」と話した。その一方で、「家族を思う気持ちや生きる力も感じられた」とも語った。
安藤さんは選手時代、「空はつながっている。だから大切な人とつながっている気分になれる」と空によく励まされていたそうで、つらいことがあると天を見上げていたと明かした。
「映画のような命懸けの状況ほどではないけれど、(現役時は)骨折や靭帯(じんたい)損傷で救急車を呼んだことも(ありました)。でも、今は自分に起こることにはすべて意味があると思える。不安が自信につながって、生きる力になる」と主人公に自身を重ねつつ、かつての苦境を思い返した。それでも、「弱い気持ちになったとき、リンクでの声援が力になった」と、ファンの応援が支えになっていたことを語った。
娘の存在が自分を変えた
現在、安藤さんは解説などの仕事をこなしながら、母として一人娘を育てている。「(現役時は)試合にも娘を連れて行った」と、どんなときでも娘との時間を大切にしているという。「自分がきちんと(さまざまなことに対して)『芯』を持ってやっている姿は娘に見せられるし、それしかできない。窮地(きゅうち)のときでも、娘がいるから力がわいてくる」と、愛娘(まなむすめ)の存在が原動力となっていると話す。そして、子供が生まれたことで視野が広がったことも笑顔で明かしてくれた。
宇宙でも4回転に挑戦する!?
宇宙飛行士である山崎さんが宇宙ステーションについてのレクチャーを始めると、安藤さんは真剣なまなざしで"聴講"。宇宙ステーションが肉眼でも見られることがわかると、空を見るのが大好きな安藤さんは「いつも見られるんですか? 」と質問した。山崎さんから「JAXAのホームページなどで、観測のスケジュールが見られますよ」と教わり、「見てみたいですね」と笑顔を見せた。
また、山崎さんから「宇宙で何回、前転できるかを挑戦してみた」というエピソードを聞くと「(フィギュアのジャンプは)地上だと0.7秒で4回転するんですが、宇宙だとどれくらいできますか? 」と、宇宙空間でのジャンプに興味津々の様子。"受講生"の安藤さんからの質問に、山崎さんは「宇宙空間ではバランスの取り方が地上とは違う。踏み切りが大切になりそうですね」と、ていねいにアドバイスしていた。