メルセデス・ベンツ日本はこのほど、「Gクラス」に6輪駆動のドライブトレインを搭載した究極のオフローダー「G 63 AMG 6×6」を都内で発表した。アジアでの販売は日本のみで、日本向けに2014年の生産枠5台を確保しているという。
6つのタイヤと5つのデフで、どんな悪路も走破!
「G 63 AMG 6×6」は、日本でも人気の高いクロスカントリービークル「Gクラス」の特別仕様車。1979年の発売以来、35年に及ぶ歴史の中で、世界各国の軍用車両や防弾仕様車などの開発を通じて培った特殊車両技術が惜しみなく投入されているという。
その最大の特徴が、6輪駆動のドライブトレインだ。メルセデス・ベンツがオーストラリア軍などに納入している軍用車両の技術を転用したもので、3つの車軸と、各車軸間に合計5つのディファレンシャルギアを搭載。そのすべてにロック機構が採用されていて、センターコンソールに配された3つのスイッチを操作することで、最大限のトラクション向上が可能だという。急勾配や岩場、水たまりや砂地など、あらゆる悪路を走破できそうだ。
防弾仕様車の技術をベースに新開発されたポータルアクスルを採用し、最低地上高460mm、渡河深度1,000mmを実現。タイヤ空気圧調整システムも搭載され、運転席からのスイッチ操作で6輪すべての空気圧のコントロールが可能とのこと。
たとえば、砂漠などやわらかい路面を走行する際、減圧して設置面積を増やすことでタイヤの沈み込みを防ぐという使い方が想定される。通常の空気圧(1.8bar)から、砂地走行に適した空気圧(0.5bar)まで減圧するのに、トラックなどに搭載されるシステムでは10分程度時間がかかるところを、わずか20秒以下で完了するというから驚きだ。
これらをパッケージングするのは、全長約6m、全幅2m以上、全高約2.3mという巨大なボディ。一方のインテリアは、プレゼンテーションを行ったメルセデス・ベンツ日本代表取締役副社長、マーク・ボデルケ氏が、「外見はモンスターでも、中身はSクラス」と表現するように、ぜいたくな仕上がりとなった。
シートはもちろん、ダッシュボードやドアパネルにまで最高級レザーが使用され、フロントだけでなくリヤにも左右独立シートが採用されている。日本ではわずか5台の限定生産モデルにもかかわらず、COMANDディスプレイやインストゥルメントクラスター内の表示は日本語対応となるそうだ。
「G 63 AMG 6×6」は8月31日まで注文受付を行い、価格は8,000万円。東京・六本木の「メルセデス・ベンツ コネクション」にて、4月30日まで展示される。
情報発信拠点「Mercedes Me」も公開
さて、今回の「G 63 AMG 6×6」の発表は、5月1日、東京ミッドタウンにオープンするメルセデス・ベンツの情報発信拠点「Mercedes Me」のプレスプレビューに合わせて行われたものだ。「Mercedes Me」では、メルセデス・ベンツの最新モデルが常時展示されるほか、オリジナルグッズの販売ショップやカフェなども設置されるという。
「Mercedes Me」内に、原宿店での長い行列が話題の「ギャレット ポップコーン ショップス」のカフェ業態「Garrett cafe meets DOWNSTAIRS」もオープンする |
国内初披露となる「Mercedes-Benz Style」ブランドの家具。カフェに隣接されるラウンジには、ラグジュアリーで上質なソファーやアームチェアー、サイドボードなどが展示される |
カフェを展開するのは、アメリカ・シカゴ生まれの「ギャレット ポップコーン ショップス」で、ポップコーンを使ったパフェやトーストなどのオリジナルメニューが提供される。隣接するラウンジでは、メルセデス・ベンツがデザインする「Mercedes-Benz Style」ブランドの家具が国内初披露されるとのこと。
「Mercedes Me」は12月上旬(予定)までの期間限定オープン。「G 63 AMG 6×6」の展示も5月1~6日に実施される。