広島県などは12月20日、広島東洋カープ好きの女性「カープ女子」を集めたイベント「カープ女子会」を東京都・銀座の「広島ブランドショップTAU」にて開催した。会場には、広島のエース・前田健太選手らも参加した。
カープ女子とは
カープ女子とは、ここ1年ほどで使われるようになった言葉で、一般紙などでも取り上げられている。主に首都圏に居住し、一人でも球場に足を運んでカープを応援するのが特徴で、「球団資金が潤沢でない中で、必死に戦っている姿がいい」「イケメンが多い」などが応援する理由だという。
会場にはカープ女子がびっしり |
「カープ女子会」では、カープ女子70人とカープ・前田健太選手、カープOBで前田選手を指導したこともある大野豊さん、カープファンの放送作家・桝本壮志さんらによるトークショーなどが行われた。
女子の多さに圧倒される
ふだんとは違い、女子だらけの会場に、前田選手もびっくりした様子。参加者の中には、仕事を休んでイベントに参加した女性もいた。前田選手は「僕が入団したときよりも女子が増えましたよね」と、ファンの増加を実感している様子。「マウンドでも声援は聞こえています。女性の声はすごい応援になります」と、集まった女性陣に感謝を述べた。
写真撮影に励むカープ女子 |
相思相愛のエピソード?
女子会の前半では、前田選手、大野さんの昔の映像を、カープ女子と一緒に振り返った。 前田選手の入団当時の写真がスクリーンに映し出されると、桝本さんが「それにしても眉毛のこの角度!」とすかさずツッコミ。会場内は笑いの渦に包まれた。大野さんも若き日の投球シーンが映し出されると、「初完封した試合かな。若い頃ですね。これが『仕事』のときの顔です」と軽妙なトークで会場の笑いを誘った。
また、大野さんが古葉竹識さんや江夏豊さんとの出会いが、自らを成長させてくれたと話すと、前田選手は「(自分にとってのよき出会いは)やっぱり大野さんですね」と回答。大野さんも「僕がコーチを3年で辞めたときにマエケンがもろもろブログに書いてくれてね。思わず涙が出ましたよ。『自分たち勝てなくて(大野さんが)辞める』とかね。自分が悪いような言い方で」としみじみ語った。二人の"相思相愛"ともとれるようなエピソードに、カープ女子たちも深くうなずいていた。
恋バナとメジャー挑戦
参加者からの質問タイムでは、ふだんあまり見せないプライベートの部分も語った。
現在、1児の父でもある前田選手。シーズン中は投手として利き腕に細心の注意を払うため、子供を抱きかかえるのを控えるそうだが、「今はオフなので、だっこひもでだっこをしていますよ」と照れくさそうに語った。
「ふだん仲の良い選手とはどこへ行くのですか」という質問には、前田選手は堂林翔太選手、野村祐輔選手、中田廉選手とよく行動を共にすることが多いことを告白。桝本さんから4人で恋愛話をすることもあるかと問われると、「しますよ。『お前彼女はできたのか』とかね。でも(野村)祐輔はひたすら隠すんで駄目です」と笑った。
前田選手は10日に行われた契約更改の席で、将来にメジャーへ挑戦したい意向を表明していたが、この日も「行きたい気持ちは正直あります」と明言。「野球人生は1回ですから。やっぱりいろんなものを経験して、将来野球に携わる仕事をずっとしていきたいので、自分にとってプラスになるものをどんどん吸収していきたい」とかつての恩師の前で誓った。
マエケン「カープ女子を増やす」
初体験というカープ女子会を終えた2人は、共に満足した様子。
大野さんは「女子会ということは非常にうれしい。カープ好きな女子が将来結婚されて子供さんをもたれたときに、その子供さんも野球を、カープを好きになる。ということは、世代的に2世代、3世代とカープを応援してくれる人がどんどん増えるわけですから」と話した。
来年の目標に「カープ女子を増やす」と掲げた前田選手は、「カープ女子が急に増えた理由はわかりませんが(笑)、やっぱりうれしいので、もっと球場に来てもらって、どのチームよりもファンが多い球団にしたい」と締めくくり、カープ女子から万来の拍手を浴びていた。