ジェイティービー(JTB)は4日、年末年始(2013年12月23日~2014年1月3日)の旅行動向についてまとめた結果を発表した。それによると、国内旅行人数、海外旅行人数ともに過去最高になる見込みとなった。

同調査は、年末年始に1泊以上の旅行に出かける人が対象。2013年10月31日~11月16日の期間に個別訪問調査にて行われ、15歳~79歳の男女1,200人から有効回答を得た。

総旅行人数は前年比2.0%増の3,052万6,000万人と予測し、比較可能な1996年以降、最高を記録。今年は過去11年間で最長の9連休と日程を組みやすいことや、冬のボーナス増などが、旅行者数を押し上げていると推察される。なお、平均旅行日数は3.8日で前年と変わらなかった。

総旅行消費額は前年比6.1%増の1兆1,055億円で、5年ぶりに1兆1,000億円を突破する見込み。年末年始の旅行に関しては、最近の円安傾向や物価上昇などの影響はあまり見られないようだ。

海外旅行人数は前年比2.1%増の69万5,000人と、1996/1997年の68万4,000人を抜き過去最高を更新する見通し。平均費用は同4.8%増の21万7,000円、総旅行消費額は同7.0%増の1,509億円と推計している。

推計(出典:ジェイティービーWebサイト)

海外旅行先について見ると、アジアが前年比1.4%増の43万1,000人、北米が同3.9%増の5万3,000人、ハワイが同3.6%増の5万8,000人、グアム・サイパンが同2.3%増の4万5,000人、欧州が同2.7%増の7万5,000人、オセアニアが横ばいの2万3,000人。その他(中近東・アフリカ・中南米等)が同11.1%増の1万人。

ヨーロッパ、アメリカ、ハワイの中長距離が増加傾向にあるほか、アジアも韓国を除いて引き続き高い人気を保っている。中国については、観光旅行よりもビジネスや親族訪問が多いことから、前年とほぼ同数になると予想している。

海外旅行の出発日のピークは12月28日で、29日から年明けにかけて出国ラッシュが続く見通し。帰国のピークは1月3日~5日と見込んでいる。

年末年始旅行の出発予定日(出典:ジェイティービーWebサイト)

一方、国内旅行人数は前年比2.0%増の2,983万1,000万人と、こちらも過去最高を更新すると予測。平均費用は同3.9%増の3万2,000円、総旅行消費額は同6.0%増の9,546億円と推計している。

旅行日数については、前年より増加したのは「1泊2日」(前年比1.1%増の33.8%)と「4泊以上」(同4.2%増の43%)となった。

出発日は12月31日が20.3%で最多。次いで、28日が13.9%、30日と1月2日が同率の12.7%となり、例年よりピークは分散傾向にあることがわかった。帰着日のピークは1月3日~5日と見込んでいる。

旅行先については、今年、世界遺産に登録された富士山の周辺へ出かける旅行者が増加。また、「ななつ星」や「A列車で行こう」など、魅力的な観光列車が運行している九州も人気を集めているという。