ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会は11月21日、各業界において2013年に顕著な業績を残したチームを「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」として発表した。最優秀賞に輝いたのは既報の通り、「2020年東京オリンピック・パラリンピック招致チーム」。
また優秀賞には、日本初の公式マシンでソチ五輪を目指す「下町ボブスレーネットワークプロジェクトチーム」、ゲーム業界に新しい価値を創造し日本中を席巻した「『パズル&ドラゴンズ』プロジェクトチーム」、ロボカップ2013世界大会ヒューマノイド部門で優勝した「JoiTechチーム」が選ばれた。
個と個が新しい価値を出せるクリエイティブな関係性こそがチーム
実行委員長の明治大学教授 齋藤孝氏によると、チーム力とは「ただ何となくの集団とは違う。役割分担を明確にし、各自がリーダーシップを持ち、情報共有できる力」であり、個と個が新しい価値を出せるクリエイティブな関係性のことをチームと言う。
日本社会全体の課題として、「ミッション・パッション・ハイテンション」(齋藤氏)を持ったチームを生み出すことが必要だと述べた。また総合プロデューサー おちまさと氏も「チームワークの概念が再度見直されている」として重要性を訴えた。
パズドラチームの「ボケとツッコミ」
トークセッションでは優秀賞に選ばれた3チームの代表者が登場し、それぞれがチームについて語った。パズドラの勢いを「全く想定もしていなかった」と言うのはガンホーのパズドラプロジェクトチームだ。元々少数で行っていたプロジェクトも今は人数が増えたそうだが、チームを一言で表すと「ボケとツッコミ」。
「面白いものをひたすら作りたい」という思いをもとに、言いたいことを言い合えるお互いの信頼関係から良いものが生まれてくるそうだ。「本当にみんなパズドラが大好きなので、クリエイターの目線と一般ユーザーとしての目線を両方話す」ことが大切だという。ガンホーの社長は漫才師出身とのことで、社風にも表れているのかもしれないとのことだった。
ロボットから学ぶ極意、社長だらけのチーム
ロボットがサッカーをする「ロボカップ」という世界大会で優勝したのは、大阪大学と大阪工業大学の学生からなる「JoiTechチーム」。彼らがチームを表したのは「Robot」という言葉。
「最高の部品を集めて、最高の配置を考えて、最高のパフォーマンスを行う設計をする、そうして初めてロボットになる。それはチームも一緒」と説明。また、ふだんから話していることで、何か起こったときもいろいろなことを言い合い問題を解決に導く関係性になれるという。
「下町ボブスレーネットワークプロジェクトチーム」は、世界のボブスレーチームが大手企業と組む中、東京都大田区の町工場らが立ち上がったチームで、ドラマ化も決定している。中小企業をPRして、海外マーケットにシフトするためのフラッグを立てていくことを目標としていた。
同チームは「チームとは、枠にとらわれない志」として、「お互いが高い志を持っていないと達成できない目標がある」と述べた。ふだんは各々の会社で社長として活躍する方々が集まるだけに、志を高く持つことでお互いを思いやることができたとのことだ。