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ヘイズ・グループはこのたび、世界30カ国の人材市場効率、優秀な人材の供給能力を評価査定した「ヘイズ グローバルスキルインデックス2013」を発表した。同報告書によると、日本では高度な技能を有する人材が不足しており、需要と供給の均衡が取れていないという。

同報告書では7つの指標スコアにおいて0~10の評価を行い、数値が高いほど企業による人材確保が困難であることを示している。調査対象30カ国のうち日本は総合スコアが最も高く、優れた人材の確保が非常に困難であるとのことだ。総合スコアとは、「教育の柔軟性」「人材市場への参加」「人材市場の柔軟性」「人材のミスマッチ」「総合的な賃金圧力」「専門性の高い業界における賃金圧力」「専門性の高い職種における賃金圧力」という7つの指標スコアの平均値。

日本が困難を抱えている項目は…?

例えば「人材のミスマッチ」といった項目では9.1を示している。これは長期的に職のない人の数、欠員の数が共に増加しており、求職者が多くいるにも関わらず、企業の求めるスキルを有していないことを示唆している。

また、同社によれば「日本の"総合的な賃金圧力"のスコアは9.5で、従来の水準以上の賃金圧力に直面しつつあることがわかる。インフレーションを考慮すると、経済界全体にわたり賃金の上昇が見込まれる」とのこと。更に「人材市場の柔軟性」は、企業を取り囲む法的環境を評価した指標。日本は7.1という高いスコアをつけており、人材市場の法規制の柔軟性が不足していることを示している。

同社リージョナル・ディレクター、ジョナサン・サンプソン氏は「経済に明るい兆しが見え、世界全体の成長の見通しはより堅調になり、日本も上向いてきています。しかし、年内は失業率が4.1%程度と予測されている一方で、スキルや経験を有するプロフェッショナルな人材の確保が引き続き困難な状況です。特にITやライフサイエンスといったより専門性の高い分野において、必要なスキルを有する人材の確保が困難になっています。企業が一般的な賃金で重要な人材を容易に採用、維持、交代できるよう人材市場の均衡を図るどころか、いまだに専門性の高い業界や職種で人材が明らかに不足しているのです」と語っている。