東京都は17日、地震に対する建物倒壊、火災、総合の3つの危険度を町丁目ごとに測定し、5段階にランク分けした「地震に関する地域危険度測定調査」の結果を発表した。
同調査は、東京都震災対策条例(当時は震災予防条例)に基づき、おおむね5年ごとに実施している。7回目となる今回は、都内の市街化区域の5,133地域(町丁目)について、各地域における地震に関する危険性を測定。東日本大震災を受けて液状化の影響を見直したほか、新たに災害時の避難や消火・救助などの活動の困難さを考慮した。
都内5,133地域のうち、総合危険度が最も高い「ランク5」と評価された地域は、足立区関原2~3丁目、荒川区荒川2~3、6丁目など84地域で、総合危険度トップは荒川区町屋4丁目だった。「ランク4」は、品川区豊町1~2、4~6丁目、中野区大和町1~4丁目など284地域、「ランク3」は、江戸川区北小岩2~7丁目など813地域、「ランク2」は、渋谷区神宮前2~6丁目など1,634地域、「ランク1」は2,318地域となった。
建物倒壊危険度の高い地域は、沖積低地や谷底低地に分類される地盤上にあり、古い木造や軽量鉄骨造の建物が密集している荒川・隅田川沿いのいわゆる下町地域一帯に分布している。
火災危険度の高い地域は、木造住宅が密集している地域に多く、区部の環状7号線沿いにドーナツ状に分布するとともに、JR中央線沿線(区部)にも分布している。
総合危険度の高い地域は、荒川・隅田川沿いのいわゆる下町地域一帯に分布。また、品川区南西部や大田区に広がる地域でも危険度が高くなっている。
なお、今回新たに災害時活動困難度を考慮したことで、台東区や墨田区南部周辺の地域などでは危険度は低下した一方、中野区や杉並区東部などでは危険度は上昇したという。
東京23区において建物倒壊・火災危険度・災害時活動困難度を考慮した総合危険度が5段階中4、5にあたる地域を「危険度の高い地域」とし、色・パターン別に地図上に示した地域危険度マップは以下の通り。
調査の概要、町丁目ごとの危険度ランクおよび危険度ランク図などは東京都都市整備局Webサイトで確認できる。
また、調査報告書ならびに概要を記載したパンフレット「あなたのまちの地域危険度」を、都民情報ルーム(都庁第一本庁舎3階)にて閲覧できるようにするとともに有償販売も実施し、今後は都立図書館などで公開していく。