日産自動車はこのほど、100%電気商用車「e-NV200」の開発が最終段階を迎えたと発表した。同車は、「リーフ」に続いてグローバルで販売する同社2車種目のEV(電気自動車)として、2014年中の発売を予定している。

2012年ハノーバーモーターショーに出展された「e-NV200」のコンセプト

e-NV200は、ベース車となった多目的商用バン「NV200」の特徴である室内の広さや多用途性と、EVならではの先進性を併せ持つ商品。走行時の二酸化炭素排出量ゼロを実現しつつ、EV特有の加速性と静粛性を提供するとのこと。

また、先進的なテレマティクスシステムや荷室における電源供給機能などが、さまざまなシーンにおけるビジネスの可能性を広げ、多くの企業が最も重視するランニングコストについては、同クラスの商用車をリードする優れたレベルを実現するという。

同社はe-NV200について、2011年以降から多くの大手企業や自治体などと公道での実証運行を重ねてきた。実証実験では、快適なドライビングやCO2排出量の削減、積載能力の高さといった点で多くの好意的な意見を得ており、それらを含む数多くのフィードバックは、発売に向けた同モデルの商品開発に生かされている。

2011東京トラックショー出展された「e-NT400 アトラスコンセプト」

さらに同社は、EV技術の商用車分野への展開としてトラックへの応用も検討中。その1つとして、小型トラック「アトラス」をベースとした電気トラック「e-NT400」の開発を進めている。排気ガスを一切出さないことから、都心部におけるエンジン車の乗り入れが制限されているエリアにおいても走行可能なほか、低騒音であることから深夜の時間帯でも運行しやすいものになるという。