カネボウ化粧品は23日、同社および系列2社が製造・販売した美白化粧品で肌がまだらに白くなる被害が相次いでいる問題で、19日までに6,808人から症状について申し出があり、うち、2,250人が重い症状を訴えていると発表した。
同社は2013年7月4日、医薬部外品有効成分「ロドデノール」を配合した美白化粧品の使用者に、肌がまだらに白くなる白斑様症状の被害が出ているとし、製品の自主回収を開始。19日までに、家庭にあると推定される約45万個のうち8割に当たる約36万個を回収。店頭在庫分についても約58万個のうち約50万3,000個を回収した。
利用者からの問い合わせ数は、専用フリーダイヤルが10万4,984人、店頭が5万8,665人に上る。問い合わせの中では、6,808人から症状について不安の声が寄せられ、うち、2,250人が「3カ所以上の白斑」「5センチメートル以上の白斑」「顔に明らかな白斑」のいずれかに当てはまる重い症状を訴えているという。
同社は、夏坂真澄代表取締役社長を本部長とする「ロドデノール対策本部」を設置。申し出のあった全利用者の状況について確認を進めており、19日までに3,181人を訪問した。治療の長期化が見込まれる被害者に対しては、美容部門が中心となり、全国に専任担当者を配置し、治療に関する相談、肌の状態の確認、メイクアドバイスといった継続的なフォローを行っていく。
ロドデノールが含まれた美白化粧品の使用による白斑様症状については、現時点では因果関係や診断、治療に関して不明な点も多いという。17日には、日本皮膚科学会の協力の下、同学会内に藤田保健衛生大学の松永佳代子教授を委員長とする「ロドデノール含有化粧品の安全性に関する特別委員会」を設置。被害者の治療を最優先に、診断法や利用法に関する皮膚界への情報提供、実態把握などを進めている。
なお、17日には、同学会ホームページ上に「美白成分ロドデノール含有化粧品使用後に生じた色素脱失症例 医療者(皮膚科医)向けの診察の手引き」を、19日には「診療対応可能施設」を掲載している。