JR東日本は4日、新たなフラッグシップとなるクルーズトレインの新造を発表した。電化・非電化区間を問わず走行可能な「EDC方式」を日本国内で初めて導入し、2016年春以降の運行開始をめざす。
同社は昨年10月に策定した「グループ経営構想V ~限りなき前進~」の中で、観光立国の推進に向けた具体的な取組みとして、「豪華列車の導入」を挙げていた。今回発表されたクルーズトレインは、「日本を楽しむあなただけの上質な体験」の提案を目的に、フラッグシップにふさわしいデザインと技術を備え、上質で洗練されたサービスを提供するという。
クルーズトレインは10両の専用編成とし、新開発の動力方式「EDC方式」を採用。電化区間は架線から供給される電力で走り、非電化区間では車両に装備された大出力のエンジン発電機からの自給電力をもとに自力走行する方式で、安定した走行性能と高い冗長性が両立できるという。また、同社が優等列車向けに開発してきたフルアクティブ動揺防止制御などの性能をさらに磨き上げ、採用する予定としている。
車両デザインをプロデュースするのは、秋田新幹線E6系車両の内外装デザインを監修した「KEN OKUYAMA DESIGN」の代表、奥山清行氏。同氏は「SL銀河鉄道(仮)」(2013年度冬以降に運行開始予定)のプロデュースも担当し、「Tohoku Emotion」(2013年秋以降に運行開始予定)のプロジェクトメンバーにも加わっている。
デザインコンセプトは、「時間と空間の移り変わりを楽しむ列車」で、ひと目でJR東日本のフラッグシップとわかる個性と、新しい時代の豪華さに満ちたスタイルを備える。パブリックスペースとしてダイニングやラウンジを用意し、プライベートスペースは1両あたり2~3室の客室として、2クラスのスイートルームを提供するという。
クルーズトレインは2016年春以降の運行開始をめざし、東日本エリアを中心に、「季節やテーマに合わせて日本列島を巡り、これまでにない感動を味わう旅行プラン」(JR東日本)を検討するとのこと。具体的なデザインや旅行プランは決まり次第、改めて告知するとしている。