前回から開始した【中国人妻、あるある!】。中国人の妻と結婚して9年目になる著者が、妻と日常生活を送る中で感じた、日中の文化の違いを紹介するコラムである。前回は、「冷たい飲み物を飲みたがらない」だったが、今回も飲食関連ということで、「生の海産物を口に入れない」である。

妻はもともと中国・東北部の吉林省の長白山という山のふもとの町の出身で、もともと生の海産物を食べる習慣がない。川でとれる魚などは食べていたようだが、これも必ず火を通して食べていたようだ。

したがって、たまに家族で回転寿司の店に行っても、妻は生の海産物は食べない。その理由を聞くと、「怖いから」だと言っていた。火を通していない食べ物に対する恐怖心があるようだ。これはなんとなく理解できるというか、日本人でも、魚以外はあまり生肉を食べる習慣がないわけで、寄生虫とか細菌・ウイルスとか衛生上の問題だろう。

まぁ、中国は北京原人が火を初めて使ったというぐらいだし、内陸部も広いわけだから、地域によっては、生の海産物を食べないのは自然なことだろう。

だが妻は、お正月とか私の両親・友人が家に来た時など、「ハレの日」には、お寿司を頼んでくれたりする。妻の優しさを感じる時の一つである。

(イラスト : ミサイ彩生)