バブル到来を1年前に予想していた岩本沙弓氏の待望の新刊『バブルの死角 日本人が損するカラクリ』(集英社、定価760円+税)が発売された。
アベノミクスに沸く日本をふくめ、世界経済が再びバブルの様相を帯びてきた。このバブル到来を昨春のベストセラーで名言していたエコノミストがいる。元・外資系為替ディーラーで、現在は大阪経済大学客員教授の岩本沙弓氏だ。
しかし、このバブルに浮かれている場合ではない。岩本氏によれば、今回のバブルが、マネー資本主義の最後を締めくくる大きなバブル崩壊、そして混乱へと続く可能性が否定できないからだ。では、その危機に私たちはどう備えるべきなのか。日本経済低迷の本当の理由は何なのか。
岩本氏の注目の新刊『バブルの死角 日本人が損するカラクリ』は、まさにその問いに答える好著だ。日本人の富が流出する仕組みが社会や経済の制度の裏側に埋め込まれてしまっていることを指摘。消費税にも新会計基準も表の顔と違う側面がある。為替介入でも国富はアメリカに流出していく。日本国民が必死に働いて生み出してきた富を掠めとっていく裏のカラクリを放置していては、中間層の復活などありえないと説く。
アメリカ政府の公文書などを紐解きながら、われわれ庶民の富が掠め取られていく仕組みを明らかにしていくこの一冊。驚きの事実に目を奪われるはずだ。