関東ではライバルは埼玉県? 茨城県は同盟仲間?? 「東京」と名のつくスポットも多い千葉県だが、実は日本一のモノも結構あるのだ。そこで今回、千葉県の隠れた日本一を紹介したい。
もはや言わずもがなの落花生
千葉県の日本一と言えば、やっぱり落花生。実に日本の生産高のうち、70%以上を千葉県が生産している。なかでも八街市は日本有数の生産量と味を誇っている。
その落花生の日本での歴史をひもとけば、沖縄県では古くから栽培されていた。それが本州に渡ってきたのは1700年代。しかし栽培には至らず、明治に入ってから栽培が推奨されるようになった。
千葉県で栽培され始めたのは明治9年(1876)で、武郡南郷町(現山武市)でのことだとか。農家牧野万右エ門氏が神奈川県三浦郡中里村から種子を購入して試作したのが始まりで、当時、適当な農作物がなかった瘠せた土地の干新潟付近で多く栽培されるようになっていった。
以降、紆余曲折ありつつも千葉の落花生は特に香りも味も歯ごたえもいいと、広く好まれるようになったという。 まさに千葉県が誇る日本一。
大仏は大きさも小ささも千葉県が日本一
ほかにもこんな日本一が千葉県にはある。それが鋸南町にある日本平大仏。「あれ? 大きさ日本一は茨城の牛久大仏では?」と思われるかもしれないが、牛久大仏は青銅製の立像であるのに対し、日本寺大仏は石仏座像の日本一なのだ。高さは31m。
日本寺は神亀2年(725)に、聖武天皇の勅命を受けた行基が開いた古刹(こさつ)で、大仏の建立は天明3年(1783)のこと。しかし、岩を彫刻した大仏のため風雨にさらされているうちに破損。修復を経て、昭和44年(1969)に再現された。山を背後にして鎮座する姿を見ていると、その巨大さに圧倒されつつも、自然と心が穏やかになってくる。
大きさ日本一があるならば、小ささ日本一の大仏もあるというから、千葉県はあなどれない。それが鎌ヶ谷市にある鎌ヶ谷大仏だ。新京成線鎌ヶ谷大仏駅のすぐ北側にあるこの大仏の高さは1.8m。どのくらいに小柄かといえば、まさか!?と思い、つい2度見をしてしまう小柄っぷり。
この大仏は個人所有のもので安永5年(1776)に、福田文右エ門が先祖供養のために造らせたもの。身体は小柄ながらとてもやさしく美しいお顔をした仏様だ。
日本一のかわいいモノレールで千葉探検
千葉県の中心部にもこんな日本一がある。それは千葉モノレールだ。懸垂(けんすい)型モノレールとしては、営業区間の長さ日本一なのだ。千葉みなと駅と県庁前駅を結ぶ1号線と、千葉駅から千城台駅を結ぶ2号線あり、その総営業距離は15.2kmで、ギネスブックにも登録されている。
アーバンフライヤー、オリジナルキャラクターのモノちゃんが描かれたモノちゃん号などが颯爽(さっそう)と走り、市民だけではなくモノレールファンの間でも人気の高いモノレールとなっている。ちなみに懸垂型とは、レールの下に車体がぶらさがっているタイプのもので、レールの上を走る跨座(こざ)型では、日本国内最長は大阪府の大阪モノレールである。
千葉県にはこんな風光明媚(ふうこうめいび)な日本一もある。それが鳥居海浜公園と潮干狩りのできる中の島をつなぐ、木更津市のシンボル“中の島大橋”だ。長さは236m、高さは27mで「日本一高い歩道橋」として知られている。橋の上からは東京湾が一望でき富士山が見える日も多いと言う。
ドラマ・映画「木更津キャッツアイ」のロケ地でもあり、劇中ではこの橋を男女がおんぶして渡ると恋がかなうとされていたので、体力に自信がある方、是非挑戦を。また、夕日に照らされる頃は特にロマンチックということで、カップルの聖地とも言われ、橋のたもとにはかわいらしいタヌキのカップルの像もある。
他、地軸の関係で冬に本州で日本一早く日の出が見られるという銚子(ちょうし)が有名だが、伊勢海老の水揚げ高日本一は、伊勢のある三重県ではなく千葉県というのも覚えておいていただきたい。三重県に抜かれる年もあるが、2012年は千葉県と三重県が220tを越え、千葉県が首位を獲得した。
そんな日本一がそろっている千葉県。千葉県民は「うちにはこんな日本一がある」などと、是非自慢していただきたい!