私の妻は中国人である。私は祖母が戦前中国で電話交換手として北京で働いていたという話を幼い頃から母から聞かされていた(祖母は私が生まれる直前に亡くなったので、会ったことはない)ので、幼少の頃より中国に興味があった。
中学生の頃には、ラジオ中国語講座を聞いていたし、大学でも語学研究所で中国語講座を受講。中途入社した新聞社でも、合格後に将来の希望を聞かれた時、「北京支局にいずれは行きたい」と話したこともある。
妻の素朴な性格に惹かれた私
なんというか、中国志向は一貫しているのだが、奥さんが中国人であるのは、あまり中国に関係なく、妻の人柄に私が惚れこんだからだ。
妻は中国の東北部にある吉林省の出身で、中学校の頃から第一外国語として日本語を勉強、吉林省の省都である長春の大学に進み、大学院を出て修士号もとっている。大学院で日本経済を専攻していた経歴もあり、日本語は堪能だ。だが、出身地が吉林省の小さな国営企業の企業城下町ということもあり、性格は素朴、生活態度は堅実で、なんだか、私の母以前の世代の日本の女性をイメージしたような部分があり、そうしたところに魅力を感じて惹かれたのだった。
とはいえ、国際結婚である。文化もいろいろと異なるわけで、結婚してもう9年目になるので、生活習慣の違いというか、そういうのはなんとなく分かってきた。
というわけで、この【中国人妻、あるある!】では、私が日常感じてきた生活習慣の違いを、中国を理解する一つの手段として読者に活用していただきたく、ご紹介したい。
(1)冷たい飲み物を飲みたがらない
記念すべき(?)第1回は、「冷たい飲み物を飲みたがらない」である。夏の暑い日でも、日本人ならグイグイ飲むような清涼飲料水などは、まず飲まない。妻によると、これは東洋医学に基づくものらしい。冷たい飲み物は胃腸に悪いらしく、清涼飲料水以外の豆乳なんかでも、必ず温めて飲む。
恐らく日本人も近代化以前は、冷たい飲み物はあまり飲まなかったのだろう。中国人はその習慣を、現代まで続けているということだ。
この西洋文化をそのまま取り入れるか否かというのは、日本と中国の決定的な違いに思える。日本は「和魂洋才」といいいつつ、特に戦後は、「洋魂洋才」になっている傾向がある。
一方の中国は、清の時代、近代化を進めるための洋務運動や変法自強運動が挫折するなど、近代化がなかなか進まなかった。だが、鄧(トウ)小平の改革開放以降は、中国流の近代化に成功しつつあるように見える。だがそういった中でも、頑固に昔の文化を守っているのが、中国人なのだ。
ちょっと長くなったが、次回以降は、私の妻を題材に、中国人の特徴を述べていきたい。