京浜急行電鉄は2013年度の鉄道事業設備投資計画を発表した。総額約188億円のうち、約156億円を安全対策設備投資に充て、災害対策を含めた安全性の向上に努める。

京急電鉄の新1000形

安全対策のうち最も金額が大きいのは、車両の新造と車両更新。新1000形20両の新造と既存車両24両(600形・2100形)の更新・改造に約44億円を投じる。

防災・地震対策にも39億円を投入。高架橋耐震補強工事や法面防護・トンネル補修を行うほか、2012年9月に追浜~京急田浦駅間で発生した土砂崩落事故を踏まえ、類似した斜面に落石防護柵と落石検知装置を設置する。

駅改良工事には約15億円を充て、逸見駅・日ノ出町駅・弘明寺駅では駅舎の改修や改築を、港町駅(下りホーム)、日ノ出町駅(上りホーム)、逸見駅(上下ホーム)ではホーム拡幅・改修をそれぞれ行う。変電設備の更新や列車無線の改良といった電力・信号・通信などの諸設備の更新・改良には約34億円を投じ、保安度の向上を図る。継続中の京急蒲田駅付近連続立体交差化工事では駅舎の工事や切替点の工事を進め、安全性と利便性の向上を図る。

なお、京急電鉄は代表取締役の異動も発表している。新社長は現専務取締役の原田一之氏。石渡恒夫社長は取締役会長に、小谷昌会長は取締役相談役に。同社では、交通の要衝としての重要性が今後いっそう高まる品川地区と羽田空港を中心に、沿線の価値をさらに高めるため、新体制の下でさらなる取組みを推進していくとしている。代表取締役の異動は、6月27日開催予定の定時株主総会後の取締役会にて、正式に決定する見込み。