松本零士原作の漫画で、後にテレビアニメ化、アニメ映画された大ヒット作『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』が、2013年秋にCGアニメーション映画として公開されることが発表された。タイトルは『キャプテン・ハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』(仮)。

2013年秋公開予定『キャプテン・ハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』(仮)

本作は単なる過去作品のリメイクではなく、例えば『バットマン』とクリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』の関係に似た、外伝とも言える世界観を構築。リメイクというよりはリブート(再誕)に近いものになるという。監督には『APPLESEED アップルシード』、その続編『EX MACHINA -エクスマキナ-』の荒牧伸志、脚本には『亡国のイージス』や『機動戦士ガンダムUC』の原作小説で知られる福井晴敏が名を連ねている。物語は、ハーロックというキャラクターを最大限に引き出すため、現代社会が持つテーマを投影したストーリー、設定に再構築し、制作を進めている。

映像についても最新テクノロジーを導入し、単なるCGの枠に収まらない『キャプテン・ハーロック』独特のダークでスケール感のある世界観を表現し、スピーディーな魅力に溢れるアクションを目指していくという。荒牧監督のもと、ハリウッドの制作スタイルを取り入れ、総製作費は東映アニメ史上最高の3,000万ドル以上とみられている。本日31日に行われた「2013年 東映ラインナップ発表会」には荒牧監督も姿を見せ、制作にあたり次のように話している。

「映像は9割完成していて、これから仕上げに入る段階です。福井さんとは、30年前に松本零士先生が生み出された『キャプテン・ハーロック』を、今の時代性にどう盛り込むかということを考えてきました。日本だけでなく世界的に漂っている閉塞感をどう打ち破れるか、そういう強いキャラクター性を『ハーロック』は持っています。パワーを持った映像になっていますし、力強く、骨太なストーリーを福井さんからいただきました。それを皆さん前にお見せできることは喜びであり、ワクワクしています」

『宇宙海賊キャプテンハーロック』は、地球連邦政府に叛旗を翻しながら、人類のために戦うキャプテン・ハーロックと、無敵の宇宙戦艦アルカディア号に乗り込んだ40人の仲間たちの物語。1978年に東映動画によってアニメ化され、未完のままの原作に対して、アニメオリジナルでストーリーが完結。ハーロックというキャラクターは映画版『銀河鉄道999』に登場し、星野哲郎の窮地に駆けつけるなど、松本零士ワールドを結ぶ役割も果たしており、最重要キャラクターといえる。今回のCGアニメプロジェクトは、2011年に行われたフランス「アヌシー国際アニメーション映画祭で松本氏と荒牧監督より制作報告が行われていた。

(C)LEIJI MATSUMOTO/CAPTAIN HARLOCK Film Partners