西田敏行が主演を務める映画『遺体 ~明日への十日間~』(2月23日公開)の予告編が、このほど公開された。
君塚良一監督が手掛ける同作は、ノンフィクション作家・石井光太の『遺体 震災、津波の果てに』が原作。2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波に襲われた岩手県釜石市を舞台に、遺体安置所をめぐる極限状態に迫った。
地震発生直後から混乱が続く中、市では廃校となった旧釜石第二中学校が遺体安置所として使われることになった。暖房もなく冷えきった体育館の中で、医師の下泉道夫(佐藤浩市)や歯科医師の正木明(柳葉敏郎)、歯科助手の大下孝江(酒井若菜)らは、時には顔見知りの市民が遺体となって搬送されるという過酷な状況の中、検案や検歯の作業に追われた。
次から次へと運ばれてくる遺体に警察関係者や市の職員は戸惑いを隠せない。釜石市職員の松田信次(沢村一樹)も遺体の運搬作業に就き、同市の葬儀社に勤める土門健一(緒形直人)も経験したことのない犠牲者の数を聞き、ただただ立ち尽くすしかなかった。そんな中、ボランティアを願い出た一人の男・相葉常夫(西田敏行)の存在が、周囲の人々の遺体の接し方を変えていく。
今回公開された予告編では、体育館の遺体安置所に泥にまみれた遺体が次々と運び込まれ、それを目の当たりにした相葉常夫がボランティアに志願するシーンや、釜石市職員や医師たちの奮闘、親友が行方不明になり遺体安置所の中に入ることすらできなくなっていた及川裕太(勝地涼)に対し、相葉が「あの方々は死体ではないですよ。ご遺体ですよ」と語りかけるシーンなど、悲しむ時間すら与えられなかった残された人々の真の姿が描かれている。
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