サラヴィオ化粧品は、信州大学農学部 応用生命科学科プロジェクト研究推進拠点の伊原正喜助教との共同研究で、別府温泉から新種の微生物群(藻類、発酵細菌など)を発見した。発見した新型藻類(RG92と命名)は美容効果も確認されたことから、研究成果を第28回日本微生物生態学会大会において発表した。
同社は抗炎症作用に富み、天然由来成分による医療への応用が期待される「藻類」に注目。特に泉種の多さと肌への効果で有名な「別府温泉」の藻類に注目して研究を行ってきた。
まず、温泉水から単離(分離して取り出す)培養した微生物の遺伝子解析、および、Basic LocalAlignment Search Tool(BLAST)により既知の微生物との相同性解析を実施。そこで新種の藻類4種(特許出願中)を含む45種類の微生物を単離・同定した(種名を調べた)。その後、発見した微生物の栄養従属特性や、生態特徴などを明確にしたという。
続いて、発見した藻類から糖脂質を抽出して分析。有効成分のモノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)、ジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)を同定することに成功した。その新型藻類RG92から抽出したエキスを用いてスキンケアローションを開発。被験調査を実施し、高い評価を得た。
同社では、このほど発見した藻類群の有効成分の化学分析を進めると共に、大学・医療機関と共同でスキンケア、医学的応用に向けた研究を展開していくとのこと。藻類以外の発酵細菌などについても、産業的応用の可能性を探って行く予定だという。