ユニクロ、ジーユーなどの事業を展開するファーストリテイリングは12日、都内で2011年8月期の決算説明会を行った。都心への新たなグローバル旗艦店の出店や、ジーユー銀座旗艦店のオープンもあわせて発表された。

決算説明会(2011年8月期)にて、柳井正氏が今後の展望を説明する

同社の2011年8月期の実績は、売上高が前期0.7%増の8,203億円に対し、営業利益は前期比12.1%減の1,163億円。4年ぶりの減益だという。海外ユニクロ事業が大幅な増収増益を達成する一方、国内ユニクロ事業は減収減益(売上高は前期比2.4%減、営業利益は前期比16.8%減)となった。

ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長、柳井正氏によれば、「上期にヒートテックやウルトラライトダウンの販売好調があったが、シーズン中盤から後半にかけて、コア商品の欠品がありました」。ただし、下期は震災後にもかかわらず、増収増益を達成したとのこと。

2012年8月期の展望として、柳井氏は、「商品力強化、生産拠点の拡大」「ユニクロの成長の軸足は海外へ」「アジア市場の飛躍」「日本市場の再攻略」「米国事業の本格拡大」などを挙げた。

ユニクロはアジアやアメリカへも事業を拡大していく

ユニクロは「日本市場の再攻略」の一環として、銀座と新宿にグローバル旗艦店を出店。いずれも1,200坪を超える超大型の店舗となる。買い物がしやすい広い空間に、最高水準の商品やサービスが凝縮され、「世界に向けて情報発信をしていくショーケース」(ユニクロ)を展開していくとのことだ。

銀座グローバル旗艦店はギンザコマツビル地上1～12階に出店し、来年3月オープン予定。新宿グローバル旗艦店は新宿三越アルコットビル地上1～3階に出店し、来年秋のオープンを予定している。

グローバル旗艦店の都心への出店に関して、「昔のユニクロのイメージを持っている人も多いので、最新のユニクロの全体像を、都心の大型店で見せていきたい」と柳井氏。「日本は非常に大きな市場なので、まだまだ成長できる余地はあると思います」と自信を見せていた。

ジーユーの銀座旗艦店は、現在のユニクロ銀座店の場所にオープン予定

柳井氏はジーユー事業にも大きな期待を寄せている様子。旗艦店やテレビCM効果で知名度も上がったことから、「新たな飛躍期を迎えたのではないか」と述べた。今後について、「来年春、現ユニクロ銀座店が入っている場所に、ジーユーの銀座旗艦店をつくりたい。既存の心斎橋店、池袋東口店とともにジーユーのブランディングを行い、今期(の売上高)は500億円を突破したい」と説明。年間50店舗を出店目標とし、海外への出店も視野に入れていた。

なお、この日は柳井氏に対し、今月5日に死去が報じられた米アップル元CEO、スティーブ・ジョブズ氏へのコメントを求められる場面も。

「彼は世界を変えたと思うんですよ。しかも何回も。パソコンやiPhone、iPadを利用している人にとって、それらがない生活は考えられないですよね。インターネットもそう。『人の生活を変えよう』という意志を彼は持っていたのだと思います」と柳内氏は語り、「いま、彼のような人物はいないのではないか。本当に惜しい」とジョブズ氏の死を悼んでいた。