JR東海は5日、「中央新幹線の計画段階環境配慮書(長野県分)」を公表し、長野県内における中央新幹線の中間駅の概略位置に言及した。
「超電導磁気浮上式鉄道(超電導リニア)」の中央新幹線は、東海道新幹線品川駅付近を起点に、山梨リニア実験線から甲府市付近、赤石山脈中南部を経て名古屋駅付近へ至る路線として建設されることになっている。
中間駅は1県1駅とし、神奈川県、山梨県、岐阜県の駅は選定されたが、長野県の駅のみ「別途選定する」とされていた(詳細は既報の通り)。
5日発表の文書では、長野県の中間駅位置検討箇所を天竜川右岸平地部とし、参考としてJR飯田線飯田駅付近にも触れている。天竜川右岸平地部について、「技術的に駅設置が可能で、利便性が確保されるとともに、環境への影響が少なく、用地確保が可能である」とする一方、飯田駅付近については、「地上駅を計画することは可能であるが、距離が約3km延びる」「飯田市の既成市街地内を通過することとなるため、生活環境等に影響を及ぼすおそれがある」「路線延長が延びることによる土木、電気設備の増」「トンネル施工の難易度が高い河岸段丘部の通過延長が長い」と評価した。
こうした評価を受けて、長野県内の中間駅は「天竜川右岸平地部に設置する」とした。文書中の地図では、飯田線の市田~伊那上郷間が範囲内に入っている。今後は関係機関と調整を進め、具体的な位置を確定するとのこと。