運用当初は4体のロボットでスタート

――それぞれのロボットの特徴を教えてください。

川城: 現在運用しているのが、「NtRider-Exp」「mikazuki」「Exa」「Active algonoid」「RR」「EV」という6体のロボットです。「NtRider-Exp」「mikazuki」「Active algonoid」の3体は、テクニカル指標を利用した上で、タイミングを重視して銘柄をピックアップして売買を指示するといったタイプです。現金比率を高く持っており、この瞬間、この瞬間が収益機会だと判断するまでは何もしないようなタイプのロボットです。

これに対し、「Exa」「RR」「EV」は、ファンダメンタルズも加味したもので、収益を得るチャンスに乗り遅れないように、マーケットの上下に付いていけるようなタイプで、「Exa」の投入以降、基準価額の推移がマーケットに反応するようになりました。1万円以下で推移していた基準価額が、2010年11月に1万円を回復し、もう少し上のほうまで目指せるところまでやってきました。

現在運用している6体のロボット

6体のロボットそれぞれが異なるロジックで収益機会を捉え、その時その時のマーケット環境に対応できる組み合わせを目指しています。

――こうした組み合わせが、3月の東日本大震災後の相場に適応できた要因となったのでしょうか。

川城: 3月11日の震災後に相場が急落した中で、短期的な株価の反発局面をとらえるロボットが売買のタイミングを見定めて買い向かっていきました。ファンド設定来、最大規模の売買を行なうなか、こまかな利益確定を繰り返したことが、ファンド全体のパフォーマンスに寄与したのです。

こうした動きは実はある程度予想できました。常に一定のルールで売買していますので、こうしたマーケットになればどういったタイプのロボットがどういう売買をするのかといったことが想定できます。現在の6体体制は短期的に収益を確定するいっぽう、中長期的にもパフォーマンスを追求するバランスのとれたロボットの体制になっていると思います。

分散投資や投資信託の入門として最適

――販売を担当されているマネックス証券では、カブロボはどういった層に販売してきて、これからどういう方に買ってもらいたいと考えていますか?

田平: 従来の投資信託とは全くコンセプトが違う投信ですので、興味は持っていただけても、販売当初はパフォーマンスが未知数だったこともあり、実際に購入されるお客さまの単価は小さかったのです。しかしながら、震災直後のパフォーマンスが、アクティブ型投信の中で3月はトップ、今年4月までの過去1年の騰落率ランキングでも1位となりました。

マネックス証券マーケティング部マネジャーの田平公伸氏

今までは、カブロボのコンセプトとか成り立ちを中心にお客様に説明してきましたが、4月以降は実績を中心にご案内するように切り替えました。販売面では、震災前の2月の月間の販売額を1とした場合、足元の6月は実に10倍以上になっています。

今後は主に二通りの方々にぜひ購入していただきたいと思っています。一つは、投資信託の中で分散投資をしている方に、ポートフォリオの一部としてカブロボを組み込んでいただきたい。もう一つは、現物の日本株の取引をしている方に、新たな投資手段のひとつとしてカブロボファンドを活用していただきたいと考えています。

――カブロボは、これからどのように発展していくのでしょうか?

川城: さきほど申し上げたように、コンテストを常に開催していますが、ランキングの上位に食い込んでくるような、これは面白いと思えるようなプログラムがあります。こうしたプログラムが、公募投信という実運用に耐えうるのか厳正に吟味し、実際に使用可能と判断されれば、ロボットの作者とコミュニケーションをとり、次のステップへ進みます。その他の控えロボット同様に、シミュレーション環境でのパフォーマンスによっては、さらに“1軍”に昇格して実運用に利用されるという可能性もあります。

さらに、現在は東証1部上場の500銘柄を取引対象にしていますが、この運用対象を広げたり、あるいは現在はロングオンリーの手法についても、この先、ロングショートも出るをその手法に加えてもいいかもしれません。

個人投資家の皆さまの運用ニーズとプログラムトレーディングの最新の流れに常にアンテナを張り、皆さまに支持されるプログラムトレーディング商品を開発していきたいと思っています。

田平: 7月末の設定2周年を前に、カブロボファンドのスペシャルサイトをリニューアルしました。ロボット運用投信というユニークなファンドの運用手法やパフォーマンスをより詳しく、分かりやすくお伝えするコンテンツを提供していきたいと思います。ロボット関連グッズプレゼントなど、2周年記念キャンペーンも予定しておりますので、ぜひ注目していただきたいと思います。

――本日はありがとうございました。