UR都市機構はこのほど、北総鉄道北総線・印西牧の原駅(千葉県)北エリアの名称を、「結いの丘 まきのはら」に決定したと発表した。

印西牧の原駅の周辺には、大規模なショッピングモールが並ぶ

印西牧の原駅は千葉ニュータウンエリアに位置し、北総鉄道北総線と、昨年7月に開業した成田スカイアクセスが線路を共用している。

同駅に隣接する千葉ニュータウン中央駅と印旛日本医大駅には、都心と成田空港を直結するアクセス特急が停車しており、これに乗り継ぐことで、都心まで約1時間、成田空港へも30分程度でアクセスできる。また、同駅始発で都心や羽田空港方面へ直通する電車も多数設定されている。

印西牧の原駅の時刻表(写真左)。半数近くの電車に、同駅始発を示す「▲」印が。朝7時台には10本の電車が設定され、改札口付近は通勤・通学客でにぎわう(同右)

成田スカイアクセスと線路を共用する北総線。「スカイライナー」は通過するものの、北総鉄道や京成電鉄、都営地下鉄など、同路線を行き来する電車はバラエティ豊かだ

駅北エリアの愛称に決まった「結いの丘 まきのはら」のロゴ

同駅北エリアは今秋のまちびらきを予定している。これまで、UR都市機構が幹事となって「WONDER GREEN PROJECT まちづくりかいぎしつ」を立ち上げ、低炭素でエコな「子どもと環境に優しいまち」を目指して検討会が行われてきたという。

新しく愛称に決定した「結いの丘まきのはら」には、人々の結びつきを示す「結い」を用い、住民たちが手を取り合いながら「子どもと環境に優しいまち」を育てていく、との思いが込められている。ロゴマークは自然の緑の葉と、そこに住む鳥たちのコミュニティーをイメージしてデザインされた。

愛称決定にともない開催された「印西牧の原 駅北エリア まちづくり構想発表会」では、UR都市機構千葉ニュータウン事業本部部長、佐々木公陽氏らが出席。同エリアについて、「掘割状になった北総線と、線路を囲む国道464号線を中心に、沿道には商業施設が集積している地域です」と説明した。

「印西牧の原 駅北エリア まちづくり構想発表会」では、UR都市機構の佐々木公陽氏(写真右)が登壇し、「結いの丘 まきのはら」の概要を説明した

東日本大震災の発生により、住宅の安全性も議論されているが、「(同エリアのある)下総台地には大きな断層もなく、非常に硬い洪積層で形成された洪積台地となっています。そのため、"震災リスク"が少ない街でもあります」と佐々木氏。今後、総戸数約2,000戸のニュータウンが形成される計画で、景観に配慮して電線を地中化し、新たに保育園や小学校も設置される。

さらに佐々木氏は、「エコで低炭素な街を意識し、自転車や徒歩で快適に移動できる基盤として、歩行者自転車専用道路『グリーンネットワーク』をつくっています」と述べた。住宅街の道路には、「みちひろば」と呼ばれる広場空間も設けられる。都市災害の防止や良好な景観を保ちつつ、地域のコミュニティーづくりにも配慮した街を目指すとのことだ。