ポッカコーポレーションの中央研究所は30日、早稲田大学先進理工学部・柴田重信教授との共同研究により、レモンの香り成分やレモン果汁を摂取することで、様々な生命活動の調節に関与している時計遺伝子の発現を高めること明らかにした。
同研究所によると、ヒトを含む動物は、睡眠と覚醒、食物の消化吸収、血圧や体温調節、ホルモンの分泌といった様々な生命活動のリズム(周期)を、体内時計により調節しているという。体内時計は外界の24時間を一日とする明暗周期に対してずれているため、光、温度、食事の摂取などの刺激により、体内時計を同調(リセット)させることで、日々、外部の環境に適応している。
レモンの香り成分の主体であるリモネンを動物に嗅がす実験で、体内時計を同調できる可能性がこれまでの研究でも示されていたが、今回の研究では、リモネンやレモン果汁の摂取が、体内時計を調節している時計遺伝子の発現を高める作用があることが動物実験において確認された。
時計遺伝子の発現が高まると、体内時計の同調が促進されることから、寝起きにレモンを摂取することで、目覚めが良くなるなどの効果が期待できるという。同研究所は「最近では、不規則な現代生活による体内時計の調節不全は、運動能力や代謝機能の低下を招き、メタボリックシンドロームの原因になると考えられています。今後は、レモンの成分による体内時計調節を介した、メタボリックシンドローム予防の研究および商品開発にも取り組んでいく予定です」としている。