ミュージックセキュリティーズ(東京都千代田区)は25日、被災地の企業を応援する「セキュリテ被災地応援ファンド」の出資者募集への協力呼びかけを開始した。
同ファンドは、三陸沿岸部で事業を展開し、東日本大震災で大きな被害を受けた6つの会社が、早期再建を目指して仙台市のNPOファイブブリッジなどと連携、さらにミュージックセキュリティーズが協力することで実現した。
ミュージックセキュリティーズは、2001年に設立され、アーティストの自由な音楽活動に共感する個人から、ひと口1万円程度の小口の出資を募る「音楽ファンド」をはじめた。その後は、音楽分野以外の商品やサービスに対しても、「セキュリテ」と呼ばれる、事業者と個人投資家を結ぶ新しい資本市場を展開している。
今回の応援ファンドは、投資が半分、寄付が半分のかたちとなる。被災地の応援したい会社に、出資金5000円と出資取扱い手数料500円、応援金5000円の計1万500円から参加が可能だ。各社はこれを資金として事業を再開。黒字化への道はまだまだ厳しいものの、出資者はその痛みも分かち合いながら、未来へとともに歩んでいく。将来、利益が出れば、各社は出資額に応じて配当する。もちろん、元本割れすることもありえる。
24日には、宮城県気仙沼市で会見が行われた。6社の挨拶は動画で観ることができる。なお、6社は次のとおり。
石渡(いしわた)商店-ふかひれ専門店、オノデラコーポレーション-飲食業、斉吉(さいきち)商店-水産加工業、丸光(まるみつ)食品-製麺業〔以上、気仙沼市〕、ヤマウチ-鮮魚販売〔宮城県南三陸町〕、八木澤商店-醸造業〔岩手県陸前高田市〕。
ミュージックセキュリティーズによれば、今後は三陸のみならず、被災地全域の企業を対象に同ファンドを展開してゆく予定だという。新たな応援のかたちの広がりが注目される。