楽天証券は9日、『楽天証券 海外ETF of The Year 2010』を発表した。年間売買代金ランキングの香港上場ETF部門第1位が、「db x-トラッカーズ FTSEベトナム ETF(03087)」となるなど、投資家が分散投資の対象先として新興国への投資に目を向けはじめていることが分かる結果となっている。
「楽天証券 海外ETF of The Year 2010」は、楽天証券で2010年の1年間に取引された海外ETF(上場投信)を上場市場ごとに年間の売買代金と預かり資産残高をランキングし、それぞれ1位を獲得した銘柄を表彰するもの。今回が第1回目の発表となる。
『楽天証券 海外ETF of The Year 2010』預かり資産残高ランキング
米国上場ETF部門 第1位
「iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット・インデックス・ファンド(EEM)」香港上場ETF部門 第1位
「iシェアーズ BSE SENSEX・インディア・インデックス ETF(02836)」
『楽天証券 海外ETF of The Year 2010』年間売買代金ランキング
米国上場ETF部門 第1位
「バンガード・エマージング・マーケットETF(VWO)」香港上場ETF部門 第1位
「db x-トラッカーズ FTSEベトナム ETF(03087)」
現在、世界のETFは、資産残高で約1兆3,000億米ドル、銘柄数も2,500銘柄まで市場が拡大し、機関投資家だけでなく、個人投資家にまで一般的な投資商品として浸透している(2010年12月末現在)。
楽天証券では、2006年10月に海外ETFの取扱いを開始し、現在は123銘柄(米国市場 : 75銘柄、香港市場 : 48銘柄)のラインアップを提供。取扱い当初は、1つの銘柄で世界に広く分散投資ができる銘柄が中心だったが、新興国やコモディティなど、投資対象を絞ったETFも多数取扱うようになっている。
楽天証券によれば、今回の「楽天証券 海外ETF of The Year 2010」では、その取扱商品ラインアップの広がりを強く反映した結果となった。「コア・サテライト戦略」に当てはめると、売買代金、預かり資産残高とも新興国のETFが上位を占めた。「これは、すでにコア部分(先進国の株式やETFなど)を保有している顧客が、分散投資の対象先として新興国への投資に目を向けはじめた結果」(楽天証券)としている。
香港市場の年間売買代金ランキングでトップとなった「db x-トラッカーズ FTSEベトナム ETF(03087)」をはじめ、今回はランクインしなかったが、2010年11月に取り扱いを開始した「iシェアーズ MSCI インドネシア・インベスタブル・マーケット・インデックス・ファンド(EIDO)」や「iシェアーズ MSCI フィリピン・インベスタブル・マーケット・インデックス・ファンド(EPHE)」、「 iシェアーズ MSCI タイ・インベスタブル・マーケット・インデックス・ファンド(THD)」の人気も上がっており、「BRICSからフロンティア市場へと顧客の注目先が変わりつつあるようだ」(同社)。
また、もう一つの特徴として、同じ投資対象のETFを比較した場合、より信託報酬の低いETFが上位にランクイン。「これは、顧客の運用コストに対する意識が向上しているためと思われ、今後はさらに割安な信託報酬のETFに人気が集まるものと思われる」(同)としている。
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