金融庁の自動車損害賠償責任保険審議会は20日、第129回となる同審議会を開き、2011年度の自賠責保険の基準料率を引き上げ、自家用乗用車2年契約額(沖縄・離島除く)で24,950円(引上げ率は11.0%)とすることについて答申した。値上げは2007年度以来4年ぶりとなる。

現行の自動車損害賠償責任保険の基準料率は、2007契約年度までの累計収支残および累積運用益を5年間で還元することを前提に、2008年4月に引き下げられた料率で、純保険料率の予定損害率は、133.8%。

1月14日に開かれた第128回の自動車損害賠償責任保険審議会では、2010年度の料率検証結果では、2011契約年度の純保険料率の損害率は、予定損害率を超える139.9%と想定され、現行の基準料率を続けた場合には、「2012年度には、発生運用益で累計収支の赤字を補てんしきれなくなることが確実である」ことが示された。

今後の料率水準については、「料率を本来の水準に戻す際には2段階に分けて戻すことが適当」との意見が出された一方、「自動車ユーザーの負担軽減のため、損保会社等が経費削減に向けた取り組みの方針を示すべき」との意見も出されたという。

20日開かれた第129回自動車損害賠償責任保険審議会においては、「2008年4月の料率変更時に前提とされた、2012年度までの5年間を収支均衡期間とする枠組みは維持しつつ、純保険料率に関して、今年度の検証結果により前回変更時の見込みとの乖離が明らかとなった部分について、これを調整するための引上げを行うことが適当」とし、「これにより、2013年度に本来の料率水準に戻すための料率の変更を行う際に、契約者の保険料負担が急激に増加することを緩和することが可能となる」との方向性でまとまった。

同審議会では、この考え方に沿い、損害保険料率算出機構から届け出が為された新たな基準料率が、2011年4月1日から適用されることについて答申がなされた。

新たな基準料率は、例えば自家用乗用車2年契約(沖縄・離島除く)額で24,950円(現行基準料率は同22,470円で、引上げ率は+11.0%)となる。