昨日の欧米市場

為替市場は、根強い欧州債務懸念を背景に引き続きユーロへの売り圧力が更に強まる状況へ。特に対スイスフランではリスク回避の動きから6営業日連続で下落し、1.25の節目を割り込む場面も見られた。また、対ユーロでは12月1日以来となる1.3055レベル、対円では108.46レベルまで売りが加速。朝方(6時以降)はオーバーシュート後のショートカバーが断続的に入っているが戻りも弱いことから、ユーロへの投資に躊躇する投資家の不安心理が垣間見える値動きとなっている。

一方、ユーロ円でのリスク回避の動きは円相場全体へと波及し、円高圧力が強まっている。ドル円もこの影響を受け12月14日以来となる83.00割れの展開へ。ユーロ円同様その後の戻りも弱く、83.00のラインが意識されたまま本日のアジア時間を迎えようとしている。

一方、欧米株式市場は強弱まちまちの展開となった。史上最高値更新後銅相場が下落したことに伴い鉱山株でも利益確定売り優勢となったこと、大手格付け会社フィッチ・レーティングスがハンガリーの長期格付けを引き下げたことを受け、銀行株でも軟調な地合いとなったことが影響し、高値警戒感の出ている欧米株式市場の上値を抑えた。また、11月の米耐久財受注の伸びが鈍化したことや新築住宅販売件数が市場予想に届かなかったことも投資家のリスク選好姿勢の後退要因につながったようだ。

ただ、米景気回復期待や企業の活発なM&Aにより株式市場への資金流入は継続しており、英FTSE100は2008年6月6日以来となる心理的節目6000ポイントへと到達する場面も見られた。

本日の主要経済指標

・14:00 シンガポール:11月鉱工業生産

要人発言、イベント

・特になし

・アジア時間の見通し

株式市場をけん引してきた海外勢の不在や週末を意識し積極的にリスクテイクを仕掛けるタイミングでもないことから、本日のアジア株式は閑散とした商いとなる可能性が高い。 特に日本225種は、為替市場での円高圧力から上値の重い展開となりそうだ。今までユーロ円をはじめとしたクロス円で円高基調が続いていたものの、ドル円が83円前半に密集していたテクニカルポイントをことごとくブレイクし、10日ぶりに82円台へ下落した。朝方の動向をみると82円後半でサポートされているものの戻りも鈍く、一転して83円前半で上値を抑えられるような展開となれば、主力輸出関連株を中心に売り圧力が強まる状況となろう。

また、史上最高値を更新した銅価格が在庫増から一転して売り圧力が強まっている影響からスポット金価格へもその影響が波及しており、資源株でも利益確定売り優勢の展開になる可能性もある。また、中国市場では年末を控え資金需給がひっ迫していることに加え、当局による一連の引き締め措置を受け、短期金融市場はここ2年余りで最も高い水準まで上昇しており、中国の資源重要縮小観測が資源株を圧迫することも考えられる。

ただ、米景気回復期待と日米による金融緩和を背景にした流動性相場は今後も継続する可能性が高いことから、10200円以下のレベルでは押し目を狙う投資家らの買いで下落幅も限られるのではないか。

注目の為替市場だが、昨日はフィッチ・レーティングスがハンガリーの長期格付けの引き下げを実施したのと同時に、債務危機の渦中にあるポルトガルの長期自国通貨建て格付けも「AAマイナス」から「Aプラス」に引き下げ、見通しもネガティブと発表した。また、ギリシャの債務保証コストも過去最高水準となっており、欧州連合(EU)首脳会議での欧州安定 メカニズム(ESM)設置の検討もむなしく、債務危機の伝染リスクは後退するどころか拡大の一途をたどっている。

本日のアジア時間もユーロをにらみながらの展開となりそうだが、焦点はユーロドルで1.3000の心理的節目をトライするかどうか。市場では最近のユーロの下落幅が大きいこともあり買い戻しが入ってもおかしくないとの声も聞かれるが、伝染リスクを懸念する投資家がユーロを買い戻したとしても一過性の動きにとどまる可能性が高いだろう。

また、ユーロ円の動向にも注目したい。現状108円ミドルレベルでなんとか下支えされているが、108.35(11月30日安値)をブレイクするようだと9月15日以来となる107円台も視野に入れた展開となる可能性が出てくるからだ。

そうなればリスク回避から円相場全体で円高圧力が強まり、ドル円もその影響から免れることが難しくなるだろう。特に83.00の回復すらおぼつかない現状を考えるなら、82.34(12月7日安値)レベルを破ることも考えられる。そのような展開となれば、上述したとおり本日の日本225種は下値ポイントを探る一日となる可能性が高まろう。

ユーロドル 日足

日本225種株価指数 日足