今週はいよいよクリスマス週間。

アメリカ勢は24日がクリスマス休暇、欧州勢は週明けの月曜日が休暇で、イギリス勢(いや、旧英国連邦系)は火曜日まで休みになっています。日本も23日が休みになっていることから、実質的な取引は多分、水曜日ぐらいまでです。

わずか3日間で取引を行おうとする市場関係者は少ないでしょう。むしろ、実需の売買注文に挟まれながらも、ファンド筋からのS/L注文の入り混じり、レンジ内で動きにくい展開となりそうです。

こういった中で、やはり注目しておきたいのが、ユーロ圏の問題。

オバマ大統領の決断によるブッシュ減税の延長、保険法案の否決などを受けての米債券市場の展開も気になりますが、市場での信用問題に対するスタンスは厳しく、アメリカの格付けでさえ、将来的に疑問視されているという見方もあります。

先週、スペインの国債入札はどうにか消化されましたが、応札倍率は低く、調達利回りは高水準になりました(5%台後半)。市場においては、来年春までにかなりの資本調達予定が控えているという事実を踏まえて、今後の格付けの話題には注意して行動すると思います。

さらに、たんに国債ソブリンリスクだけではなく、国債を保有している欧州系金融機関に対する懸念も出てくる可能性は大きいです。アイルランド向けの融資において、英系金融機関における棄損処理の話題も出ており、スペイン・ベルギー、さらにはイタリアにまで範囲を拡大した場合には、増資懸念とも合わせて株式市場にとっては上値を抑える要因となってくるでしょう。もっとも、現状のユーロの対ドルや、他の通貨における安い水準を背景に、フランス・ドイツ経済は比較的堅調に推移するかもしれません。

今後は、前述の2カ国との経済比較という点での話題も、年明けから考えていったほうが良いのでしょうか。

今週は、主だった経済指標イベントはないものの、欧州当局者(各国、EU、そしてECB) のコメントに加え、格付け機関の発表には気をつけつつ、欧州通貨を取引していったほうがよさそうです。

テクニカル的には、ユーロの対ドルの200日移動平均線がポイントと見ています。現状では1.3100付近での推移となっており、対円では114.20付近でしっかりと上値を抑えています。前回対ドルのポイントを割り込んだ際には、マクロ系ファンドも含めて、リアルマネーからのポジション圧縮圧力が高まりました。アジア筋からのユーロ買いの興味も下値で控えているという観測がありますが、テクニカル的なポイントを割り込んでいる状態で積極的に出てくるかどうか。

そして、現状のユーロや豪ドルの上値を抑えている要因として、やはり米ドルの堅調地合いがクローズアップされています。米金利上昇という点については、好調な経済成長に対する見込みという見方があるものの、FRBのスタンスで見れば、まだディスインフレになる可能性がある中での金利上昇はミスマッチ状態。

そのうえ、雇用環境は改善していないうえに、米財政問題を考えれば、悪い金利上昇ともいえます。もっとも、一部メディアでは本邦金融機関による米債券の投げ売りが金利上昇を誘ったともいえるようですが、今後の米経済指標と雇用関連のイベントには注意しておきましょう。

その意味では、年末までに、新規失業保険申請件数に加え、消費者信頼感指数、シカゴ購買部と、年明けの米雇用統計に向けた土壌づくりの時期でもありますので、積極的な取引環境ではないとはいえ、米ドルの堅調地合いがどこまで維持されるかに注目しておきましょう。

こういった中、方向感がなさすぎるといってもおかしくないドル円、そして日本の株式市場。ドル買いと、リスク回避のクロス円からの円買い圧力があるうえに、本邦実筋からの円買い圧力の興味が上値でかなり積み上がっている模様。個人投資家からの海外投資興味は厚いものの、それだけでドル円の下値を支えられるかどうか。

もっとも、需給だけの問題だけではなく、日本の先行き見通しに関して、海外投資家は冷ややかになっています。メディアでは民主党の各政策に絡んだ財源問題の話題が取り上げられていますが、あれもこれもと実現するためには、現状の税収ではまかないきれないうえに、埋蔵金探しも限界になっています。

事業仕分けをしても、雨後の竹の子のように別組織で再生される状態では、コスト削減の道のりは遠いでしょうし、デフレ脱却で資金供給をしても、資金調達した資金は国内に還流するよりは成長性が見込める海外進出に回ってしまっては、企業は良くても、労働者側にとってはマイナス要因。

海外各国でも政局の混迷はありますが、対外的な脅威も含めて、日本政府の方向性が試される来年となりそうです。

このリスクがクローズアップされた場合に、怖いのが、やはり格付けの問題。今年、各格付け機関がバイアスをネガティブにしていることから、欧米において財政問題が再度クローズアップされているなかで、日本だけが問題がいとはならないとみられる。依然は、ホームバイアス(母国選考)ということで保たれているということで維持されていたが、個人投資家もしびれを切らして海外志向ともなれば、日本政府が頼りにしている国内投資家にも陰りが出てこよう。

仮に、この話題がトップとなれば、これまで抑えられてきた84.40-50どころか、9月介入時点の高値86.03をも突破する可能性が出てくるか。

いずれにせよ、街中ではクリスマスの飾りつけできらびやかな半面、市場ではリスクに対して敏感な神経質な地合い。クリスマス週間という流動性が低下している中で、サプライズの話題が出てこないことを祈りつつ、年末を過ごしたいものです。

来年は1月3日から、また配信していきますので、今後ともよろしくお願いします。

皆様、良いお年を!!

年末の主な経済指標

12月20日(月)
(日)日銀金融政策決定会合
(独)11月生産者物価指数
(ユーロ圏)10月経常収支
(米)11月シカゴ連銀全米活動指数
12月21日(火)
(日)日銀金融政策決定会合
(日)白川日銀総裁会見
(豪)RBA理事会 議事録
(独)1月消費者信頼感指数
12月22日(水)
(日)11月貿易統計
(日)12月月例経済報告
(英)12月BOE政策委員会 議事録
(英)第3・四半期GDP 確報値
(米)MBA住宅ローン・借換え申請指数
(米)第3・四半期GDP 確報値
(米)11月中古住宅販売
12月23日(木)
(NZ)第3四半期GDP
(仏)11月消費支出
(仏)11月生産者物価指数
(米)新規失業保険申請件数
(米)11月耐久財受注
(米)11月個人所得・消費支出
(米)12月ミシガン大消費者信頼感指数 確報値
(米)11月新築1戸建て住宅販売
12月24日(金)
(米)[クリスマス(振替)]
12月27日(月)
(日)日銀金融政策決定会合議事要旨
(日)11月企業向けサービス価格指数
(米)財務省2年債入札
オーストラリア、香港、英国は休場[クリスマス(振替)]
12月28日(火)
(日)11月全国コア消費者物価指数
(日)12月東京都区部コアCPI
(日)11月有効求人倍
(日)11月完全失業率
(日)11月家計調査
(日)11月鉱工業生産 速報
(仏)第3四半期GDP 改定値
(米)10月S&Pケース・シラー住宅価格指数
(米)12月消費者信頼感指数
(米)財務省5年債入札
オーストラリア、英国は休場[ボクシングデー(振替)]
12月29日(水)
(米)MBA住宅ローン・借換え申請指数
(米)財務省7年債入札
(独)12月消費者物価指数速報値
12月30日(木)
(米)新規失業保険申請件数
12月31日(金)
(米)12月シカゴ地区購買部協会景気指数