昨日の海外市場
欧米タイムはリスクテイク一色の展開へ。為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和の可能性に含みをもたせたことが材料視され、ドル安が更に進行。対ユーロでは約9カ月ぶりの水準(1.4282)まで下落。対豪ドルでも変動相場制へ移行して以来の安値(1.0176)を記録した。
急激なドル安の恩恵を受け商品市場も急騰。原油先物は86ドル台へと上昇し、今年4月以来となる高値圏へ。スポット金は、ドルの代替資産としての妙味が急速に強まった結果、史上最高値となる1394ドルを記録した。
そしてこの影響は株式市場へも波及し、景気敏感セクターを中心に欧米株価指数は軒並み上昇する展開へ。英FTSE100は2008年6月9日以来の高値を更新すれば、ウォール街株価指数もリーマンショック前の水準を回復。一方、米SPX500は、心理的節目1200ドルを完全に突破しただけでなく、今年最高値となる1222を付けた。
本日の主要経済指標
・時間未定日本 : 日銀政策金利&声明文の発表
・09:30 豪 : RBA(豪準備銀行)四半期金融政策報告
・18:30 英国 : 10月生産者仕入価格
・18:30 英国 : 10月生産者出荷価格
・19:00 ドイツ : 9月製造業受注
・19:00 ドイツ : 9月小売売上高
・20:00 カナダ : 10月雇用ネット変化率
・20:00 カナダ : 10月失業率
・21:30 カナダ : 9月住宅建設許可
・21:30 米国 : 10月失業率
・21:30 米国 : 10月非農業部門雇用者数変化
・23:00 米国 : 9月中古住宅販売成約
・28:00 米国 : 9月消費者信用残高
要人発言
・16:30 日本 : 白川日銀総裁記者会見
・2:30 米国 : ホーニグ : カンザスシティ連銀総裁、講演
・22:45 米国 : ピアナルト : クリーブランド連銀総裁、討論会司会
・24:15 米国 : フィッシャー : ダラス連銀総裁の司会
・6:20 米国 : ブラード : セントルイス連銀総裁、討論会司会
・27:00 米国 : バーナンキFRB議長、ジャクソンビル大学の討論会に参加
・28:00 カナダ : カーニーBOC総裁の発言
・29:15 米国 : ラッカー : リッチモンド連銀総裁、討論会司会
アジア時間の見通し
市場では量的金融緩和第3弾(QE3)への期待感が高まっており、2011年上期までに景気回復とデフレ懸念後退が達成されなければ、本日アジア時間でもこれを軸にした相場展開となる可能性が高まっている。
特に日本225種は、クロス円主導での円安基調が再び強まっているだけでなく、ドル円の下落も相殺している。こういった状況を考えると、引き続き国内輸出株が牽引役となり、節目の9500を突破し、更に上値を試す展開となる可能性が高い。実際、朝方の動向を見ると、短期レジスタンスラインを完全に上抜け、9480円台でもみ合ったまま更に上値を試すムードとなっている。
香港HSで25000の水準がターゲットに入っていることも支援材料となりそうだ。ただ、国内要因へ目を向けると、昨日の白川方明日銀総裁の講演内容に目新しさはなく、本日予定されている日銀政策金利と声明文において追加緩和策が発表されることへの期待感が後退しつつある点が気がかり。また、週末に加え米雇用統計を控えていることも考えるなら、取引終盤には利益確定の可能性が出てくることにも留意しておきたい。
そして株式や商品市場の動向を左右する為替市場では、ドル安がどこまで進行するかがアジア時間の焦点となりそうだ。
米FRBが追加の金融緩和を示唆したことに加え、昨日トリシェ総裁は、『非標準的な流動性供給は本来一時的措置であり、解消に向かう』と発言。欧州中央銀行(ECB)の出口戦略を模索する方針に変更がないことを示唆したことで、為替市場では将来の金利差拡大を見込んだドル売りが更に進行するとの見方も出ている。
また、米債券利回りについて、中短期債への下落圧力が強まっていることもドル安圧力を強める要因となりそうだ。特に2、5年債利回りが過去最低水準まで低下していることは、ドル相場との連動性からいっても、格好のドル売り材料と市場で見なされる可能性がある。
そして、ユーロ諸国の不満やIMM通貨先物で26.7億ドルものドルショートが積み上がっていることを考えれば、いつドルキャリーの解消が進んでもおかしくはない状況だ。
ただ、アジア時間ではドルを買い戻すきっかけが見当たらない。ドルショートカバーが強まるとしたら、今晩の米雇用統計あたりか。イベント前のポジション調整程度の買い戻しに留まる可能性もあるが、欧州タイムに入る前後、ドルショートカバーの動向には注目しておきたい。