今年6月、サイボウズの青野慶久社長(39)が2週間の育児休暇取得を宣言した。「激務」というイメージが強いIT業界、しかも社長の育休取得とあって驚いた人も多いはずだ。時代の先端を走る社長は「育休」をどう過ごし、どんなことを感じたのか? NPO法人ファザーリング・ジャパン主催のセミナーで、青野社長の講演を聞いてきた。
猛烈な"働きマン"が育休取得したきっかけはTwitterだった!?
青野社長が登場したのは「IT業界で働くパパ・ママのためのセミナー」。IT業界の後輩たちが熱心に聞き入るなか、話は育休取得の意外なきっかけから始まった。
「育休取得前はまさに『仕事バカ』でした」。青野社長が目標としているのは「サイボウズを世界に一番使われているグループ会社にすること」。その目標を実現するため激務に没頭する日々。終電の時間を気にせず働けるよう近くに住み、ずっと自転車通勤を続けているという。
転機を迎えたのは今年2月。長男が生まれ、その頃、自分の住む文京区の 成澤廣修区長(44)が2週間の育休取得を宣言したことを知った。「Twitterで(区長の育休取得について)つぶやいたところ区長にフォローされ、そのうち一緒に飲みに行こうということになったんです」。成澤区長から「企業の人もぜひ育休取得を」と勧められた社長。「会社の宣伝にもなりそうだし、おもしろそうだし」と"なりゆき"で心を決めた。一部上場企業の社長の育休取得とあって、反響は大。その反響で改めて「まだ(男性の育休取得は)メジャーじゃないんだなあ」と感じたそうだ。……つづきを読む