ファッションを入り口にアウトドアの世界へ

「山ガール」。昨年あたりから頻繁に耳にするようになった言葉だ。登山および、山遊びをする女性のことを指すのだが、山ガールという言葉がはやる以前からそういった女性はいた。しかし、近年、女性向けのアウトドアファッションが多様化し、街着の延長線上としてアウトドアウェアを選ぶことができるようになってきた。山ガールは、単に山登りをする女性というだけではなく、アウトドアファッションにも興味津々でおしゃれ感度の高い女性のことも意味するのだと思う。

実際に山登りをすると、おしゃれなウェアを着用した女性の多いこと、多いこと

また、これまでアウトドア雑誌を見ても、「冬山」といったハードな特集が組まれており、「無理、無理」と興味が持てなかった。しかし最近の雑誌の中には、なんかこう、ふわっとライトなアウトドア企画が多数組まれていて、「ピクニックの延長線上のアウトドア」といった感覚なのだ。

ファッションモデルがアウトドアウェアに身を包み、おしゃれ感満載である。雑誌をパラパラとめくりながら、普段着を選ぶような感覚。「こんな服、着てみたいな」と思えるデザインなのだ(雑誌の誌面デザインも、ウェアのデザインも)。「ファッションからアウトドアに興味を持つなんて邪道だ! 」といわれるかもしれないが、未経験者からすると敷居が低くなり、ありがたいと思う。

ただ、そういった軽い考えで山登りをし、装備不十分でケガをするケースもあるので、しっかりと準備は行ったほうがいいだろう。そんなときに助かるのが"山仲間"の存在だ。

富士山や高尾山はブームの影響やミシュラン効果で"渋滞"ができるほどである。きっと、あなたの周りにも登山を趣味にしている人はいるはずだ。そういった経験者から、装備の話を聞くのもいいし、専門店に行くと詳しいスタッフがしっかりとアドバイスをしてくれる。初心者は、"自分の行きつけの店"を持つのもいいだろう。また、最近では前述の通り、様々なアウトドア雑誌が出ているので、これらで勉強するのもオススメだ。

靴擦れは悲惨! まずは靴を履き慣らそう

キャラバンの「C-1 02」。厚手の靴下とあわせている

筆者の場合、山デビューは高尾山と決めて、まず購入したのはトレッキングシューズだった。子どもの頃から外反母趾で、合う靴がなかなか見つからなくて、日ごろから苦労していたからだ。専門店で足を測定してもらうと、やはり外反母趾の影響でやや幅広なシューズ必要と分かった。当初購入予定だった靴は、履いた瞬間に足が痛くて全くお話にならなかった。ピッタリだったのはキャラバンの「C-1 02」。足首もしっかりとホールドしてくれるので、急な下り坂も安心だ(足の爪が痛くなりにくい)。さらに、靴下も厚めのものを同時購入し、散歩の際に履くなどして慣らしていった。

時折聞くのが靴擦れ。何時間も歩く山登りで靴擦れになったら悲惨以外の何ものでもない。新品の靴で山デビューするのではなく、必ず履き慣らしてから山登りをしてほしい。

ラップスカート風のキュロットは足さばきも抜群

そしてウェア、特に肌に触れるものはは吸汗・速乾素材がオススメ。汗をかいてもすぐに乾いてくれる素材でないと身体が冷えていくし、何より不快である。今回は、コロンビアの「ジュニパーライトウェイトパンツ」(レギンス風のもの)、モンベルの半袖Tシャツ、タオルマフラー(首に巻いてもOKなマフラー風のタオル)、カリマーのレインハットを着用。Tシャツは吸汗・速乾素材で、「ジュニパーライトウェイトパンツ」も速乾素材である。レインハットは富士山登頂を見越しての購入である(山頂付近は湿度が高い)。虫除けと日焼け対策も兼ねて、フィンガーレスのグローブ(ロング丈)も着用した。こちらも速乾素材である。

最後はボトムス。「絶対山スカート! 」と騒いでいた筆者ではあるが、日ごろパンツスタイルなので、購入時点になって悩み始めた。結局、ユニクロのスポーツラインのスカロットにした。こちらは、ラップスカートタイプのキュロット。フロントはラップスカート、バックスタイルはキュロットという優れもの。「ちょっとスカートに抵抗が……」という人にはピッタリである。