スタンダード&プアーズ(S&P)は26日、北陸銀行の長期カウンターパーティ格付けを「A-」に1ノッチ(段階)引き上げた。S&Pによると、格上げは、同行を中核会社とするほくほくフィナンシャルグループ(格付けなし)の自己資本基盤と資産の質が改善していることによる。

S&Pでは、北陸銀行自身の信用力評価(スタンドアローン評価)を「BBB」から「BBB+」に1ノッチ引き上げたうえで、格上げ前と同様に、緊急時の政府支援要因を1ノッチ織り込んだ。長期カウンターパーティ格付けのアウトルックは「安定的」。銀行基礎信用力格付けは、「C+」に対応するスタンドアローン評価の範囲が「BBB」から「BBB+」であるため据え置かれた。

北陸銀行の格付けは、同行単体の財務内容に加え、「同行の株式を100%保有する持ち株会社のほくほくフィナンシャルグループ連結ベースの財務内容や市場地位を反映している」(S&P)。これは、「持ち株会社が組織再編や資本配分などの権限を有するため」(同社)。

S&Pによると、国内の景気回復見通しに対する不透明感が再び強まる中、今後仮に業務純益など収益額の減少が中期的に続き、かつ資産の質や与信関係費用の負担が大幅に悪化する場合には、格下げとなる可能性がある。

一方、業務純益などの収益額の増加が中期的に続き、かつ資産の質や与信関係費用の状況が大幅に悪化する可能性が低いとS&Pが考える場合には、格上げとなる可能性がある。