サイバーエージェントFXは7月29日、井上義教(よしのり)氏によるWebセミナー『リアルチャートリーディングセミナー』を開催した。同セミナーで井上氏は、「勝つためのヒント」について述べたほか、5つの通貨ペアに関し、実際のチャートを見ながら、今後の展望についても説明した。
「自分の相場観通りのポジションを持つこと」が重要
井上氏は、1964年東京都生まれ。1988年大阪大学経済学部卒業、同年大和銀行入行。1991年からロンドンの証券現法で為替・債券のディーリング業務に従事。2003年に退社するまで、為替・債券・スワップ市場を歴任、チーフディーラーとしてチームを統括していた。現在、「個人投資家が負けないためのツール」であるシステムトレードの啓蒙を行うため、オスピスのチーフアナリストを務めている。
今回サイバーエージェントFXでは、井上氏が普段どのようにチャートを読み込んでいるのか、直近の相場をどう見ているのかなどを解説する、『リアルチャートリーディングセミナー』を7月29日に開催。19:00ログイン開始、19:30~1部 外貨exサービス説明(10分)、2部 井上氏によるセミナー(60分)、質疑応答(20分)、というスケジュールで行われた。
井上氏によるWebセミナーは、資料がダウンロード可能なほか、参加者による質問もできるようにした形で開催。内容は、(1)トレードにおける心構え、(2)テクニカル分析の利用法、(3)注目5通貨ペアのチャートリーディング、の3部構成だった。
1の「トレードにおける心構え」では、「熱くならないこと」「収益チャンスを逃さないこと」「相場を常に恐れること」などが、心構えとして必要と説明。また、売買の意思決定までのプロセスについては、「チャートを見る」→「相場観を立てる」→「ポジションを作る」とのプロセスが重要とし、「自分の相場観通りのポジションを持つようにすることが重要」と指摘。「成行に近いところで、ポジションを持ってください」と述べた。その上で、常にチャートと相談しながら、相場観を微調整していくことが大切とも強調した。
逆に、「やってはいけないこと」として、「ポジションを作った後に相場観を立てる」ことを挙げ、「これは最悪」と指摘。また、「指値で仕掛けること」も、やってはいけないこととした。
さらに、通貨が値下がりしてしまったときに、安い値段で同じ通貨を買い増して、平均購入価格を下げる「ナンピン(難平)」について、「ナンピンは駄目です」と話し、「ナンピンをする人はまず勝てない」と説明。また、損切りについては、「どんな理由があっても、成行で実行してください」と強調した。
「小さいロットでいいから実際の取引で」とアドバイス
セミナーの第2の項目「テクニカル分析の利用法」の冒頭では、「相場に入る際は、順張りですよ」と説明。「なぜ指値で仕掛けてはダメなのか」については、「指値注文が約定する時は、相場の流れに逆行するから」と述べた。
仕掛けに適したテクニカル指標については、「移動平均やMACDなど、トレンド系がいい」とし、手仕舞いに適したテクニカル指標としては、「オシレーター系といわれる指標」などを例に挙げながら、「どれがいい、悪いではなく、自分の背中を押してもらうものが、テクニカル分析なんだということを思ってほしい」と強調した。
さらに、上記の内容をまとめた「勝つためのヒント」として、「負けたらキレイサッパリ諦める」「日記のような収益管理表を必ず付ける」「チャートを見て相場観を立てる」など、11の項目を挙げた。
セミナーでは、視聴者からの質問をチャットで受け付け、「ディーラー時代の苦労話は?」との質問に井上氏は、「やられた時のことしか覚えてない」などと苦笑しながら回答。「どうしてもロットが増えたら臆病になる」との書き込みには、「ロットアップするのは自分自身にとってもストレスだが、これができないと収益は改善しない」とアドバイスした。また、「デモ取引での練習で勇気は付くか」との質問には、「デモではいくらやっても勇気は付かない。小さいロットでかまわないから、リアルトレードのほうがいい」と助言していた。
セミナー後半の「チャートリーディング」では、「ドル円」「ユーロ円」「オージー円」「ポンド円」「ユーロドル」の5通貨ペアについて、実際のチャートを見ながら説明。ドル円については、「売りでいいのではないか」、ユーロ円に関しては、「買いの方向でいいのではないか」と説明(※セミナーが行われた2010年7月29日時点で過去のチャートを見た際の判断)。
オージー円については、「どっちかというと買いかなというチャート」としたが、ポンド円に関しては、「ちょっとチャートの様子が違う」と述べ、「レンジの相場になっている」としながら、「対円に関しては買いだろう」と説明した(※セミナーが行われた2010年7月29日時点で過去のチャートを見た際の判断)。ユーロドルについては、「様相が随分違う」とし、「買いというチャートになる」と説明。上記の5通貨ペアのうち、「一番のおすすめは、ユーロドルを買うこと」と述べた(※同)。
セミナーの最後に井上氏は、自身がチーフアナリストを務めるオスピスに関し、「公平な立場でマーケットを見てやっている」と説明し、「サイバーエージェントFXさんとその点で考えが似ている」と述べた。今後も毎月1回Webセミナー、4カ月に1回会場セミナーをやっていく予定であると述べ、セミナーを締めくくった。
尚、井上氏の次回セミナー日程は下記URLより確認できる。
http://www.cyberagentfx.jp/gaikaex/event/detail.php?id=91
※ 本記事はサイバーエージェントFXのセミナーについて、マイコミジャーナル編集部が取材を行った取材記事です。実際に外国為替証拠金取引(FX)を行う場合は、自己の責任において行うようお願いいたします。