外国為替証拠金取引(FX)をやってみたいけど敷居が高い。そんな人にうってつけのサービスが登場した。ひまわり証券のエコトレFXだ。エコトレFXは、自動売買機能を搭載したシストレツール。気に入った売買システムを選んでおくだけで、あとは24時間完全自動でトレードを行ってくれる。

FXというと、「昼間は仕事があるので取引をしていられない」「どういう風に売買すればいいのかがよくわからない」というニつが、これからFXを始める人の大きなハードルだが、エコトレFXを使うと、このハードルを簡単に乗り越えることができる。しかも、利用料は無料だ。このエコトレFXの入門から上級活用までを、ひまわり証券営業企画グループ FX企画チームの小沼慶太氏に教えていただいた。

初心者から上級者まで、"始めやすく奥が深い"エコトレFX

エコトレFXを始めるには、ひまわり証券の「シストレ口座」を開設する必要がある。(詳しくはこちら)

エコトレFXの実際の取引は、100種類弱あるシステムから好みのものを選ぶだけ。資金を入金して、売買システムを選ぶだけで、売買システムが独自のルールに基づいて売買タイミングを判断し、24時間自動で取引が行われる。その間の操作は全く必要なく、PCを閉じたままにしていても、取引は自動で行われていく。週1回、取引状況を自動的にメールで配信してくれる機能まである。昼間忙しくて取引ができないという人に最適だし、売買をどうやったらいいのかよく分からない初心者でも、売買システムを選ぶだけなので、手軽にFXを始めることができる。

しかし、エコトレFXは必ずしも初心者だけに向けたものではない。中級者にも、そしてなんと上級者にも、満足してもらえるサービスになっているのだ。エコトレFXに用意されている100種類の売買システムは、いずれも練られたロジックを採用している。戦略の異なった売買システムを併用すれば、ヘッジ機能を持たせたポートフォリオを組むこともできる。今まで裁量トレードをやっていた中級者には、システムトレードの入門としては入りやすく、なおかつ奥が深い。

また、FXに詳しい上級者にもエコトレFXは使い手がある。売買システムは全自動で売買を行うが、途中で手動に切り替えることもできる。たとえば、朝方売買システムが売り、または買いの取引をしたら、相場の動きを見ていて、自分で決済したいタイミングにきたら、手動で決済させてしまうこともできるのだ。上級者にとっては、自分の取引のサポートツールとしてエコトレFXを利用できる。利用料は無料なのだから、無料のサポートツールだと考えれば、使う意義は決して小さくない。

売買システムを選らぶには、何を参考にすればいい?

ところで、初心者も中級者も、100種類もある売買システムから、どれを選んだらいいか悩むことだろう。エコトレFXでは、全ての売買システムが、年間平均損益率の順に表示されるので、基本的には年間平均損益率のいいもの、つまり上位の中から好きなものを選んでみてもいい。

この年間平均損益率を見るには「利益ランキング」を見る。「利益ランキングは1年間だけでなく、3カ月、6ケ月、1年、3年、5年の5種類に切り替えて表示ができるようになっています」(小沼)。

「利益ランキング」例。右上の欄で、1年間だけでなく、3カ月、6ケ月、1年、3年、5年の5種類に切り替えて表示ができる

できれば5種類を切り替えてみて、いずれでも上位にきている売買システムを選ぶといいだろう。さらに自分で、相場が今の状態が続くと感じ、最近好調な売買システムに乗って、短期で利益を取りにいきたいと思うときは3カ月のランキングを重視、相場の状態が大きく変化しそうな予感があって長期でも安定した売買システムを選びたいときは、5年を重視するなどという選び方もありだ。

「また損益グラフもぜひ見ていただきたいですね。これが右肩上がりのものは順調に利益を積みあげてきているということになります」(小沼)。

「損益グラフ」例

といっても、損益率の高い売買システムが優れたシステムなのかというと、そう単純ではない。売買システムのほとんどは「何度も小さく負けて、ときどき大きく勝つ」という結果になりがちだ。そのため、たまたま「大きく勝つ」がなかった場合は、短期的な損益率は悪くなってしまうし、たまたま「大きく勝つ」が何度も重なると、短期的な損益率はよくなる。では、どこを見たらいいのか。

「損益率」「最大ドローダウン」「総トレード数」をチェック!

「どの売買システムもトラックレコードという詳細情報を公開しています。この中で注目してほしい項目がいくつかあります」(小沼)。

「トラックレコード」には、注目すべき項目が記載されている

第一に見ておきたいのが「損益率」だ。これは総利益を総損失で割ったもの。利益が大きく、損失が小さいと、損益率の値は大きくなっていく。同じ利益を出している売買システムであっても、この損益率が低いものは「負けも大きい」ということになるし、損益率が高いと「負けが小さい」ということになる。もちろん、損益率は高い方がよく、「一般的には1.2を越えると優秀な売買システムであるといわれています」(小沼)。

次に見ておきたいのが「最大ドローダウン」。これは資金管理をする上でも重要な数値だ。最大ドローダウンというのは、過去に負けが続いて、最も資産を減らしたときの金額。いわゆる過去で最大の最悪シナリオだった時に、いくら負けたかという数値だ。もちろん、将来のことは分からないが、今後も最大ドローダウンと同じ程度の損失をきっする可能性があることは、頭に入れておかなければならない。

エコトレFXでは、1万円または2万円の証拠金で1万通貨の取引ができる。例えば、最大ドローダウンが12円だということは、1万通貨の取引の場合、12万円負ける可能性を考えなければならない。つまり、最初に必要な資金は証拠金1万円+余剰資金12万円で、最低でも13万円は用意してほしい。もちろん、証拠金だけでも取引は始めることはできるが、少しでも負けてしまうと、マージンカットで強制決済されてしまう。そのため、最初から余剰資金も用意して、余裕のある状態で始めるべきなのだ。

さらに「総トレード数」かあるいは「売買頻度」もチェックしておこう。これがあまりにも少ないものは、まぐれ当たりでいい成績が出ていることもある。1時間足のシステムなら、週に4回はトレードしている売買システムの成績であれば、信頼できると考えていい。

これだけの基本知識があれば、売買システムの特徴がみえてくる。しかし、ある程度システムトレードを知っている人、あるいはもっと高度な売買システムの使い方を知りたい人も多いはず。次回は、小沼氏に、より詳しい中級者向けの売買システムの選び方を教えていただく。