FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。昨日は、米株式序盤でアルコア(AA.N)が市場予想を下回る売上高となったことを受け、欧州株は米企業決算への警戒感から反落。これが商品相場へも波及し、高値警戒感の出ていたWTIやスポット金価格も軟調な地合いとなったことから、資源株も軒並み下落。また銀行株での軟調な地合いも欧州株式の上値を抑えた。
序盤は軟調な地合いだった米株式だが、業績相場は根強く、引け後に発表されるインテル(INTC.O)への期待感からハイテクセクターが時間とともに徐々に底堅い展開となった。ウォール街株価指数は連日1万1,000ドルの心理的ラインを終値ベースで突破すれば、他の米株式も同様の展開となった。
一方、為替市場はソブリン・リスクによる欧州通貨&資源国通貨の売りと米株の底堅さを背景にしたリスク選好が入り混じる展開となった。
円相場は米株式が底堅さを見せるとクロス円を中心に買い戻し優勢の展開となるも、ユーロ円は127円のライン手前、豪ドル円は86円ミドルレベルで上値の重い展開となった。クロス円を中心とした円安と、ユーロドルでのドル安に挟まれるかたちでドル円はボックス相場の展開が継続した。
本日の主要経済指標
07:45NZ・2月小売売上高
09:30豪・4月ウエストパック消費者信頼感指数
18:00ユーロ圏・2月鉱工業生産
18:30南ア・2月実質小売売上高
21:30米・3月消費者物価指数
21:30米・3月小売売上高
23:00米・2月企業在庫
23:00バーナンキFRB議長議会証言
27:00地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)
要人発言&議会証言
08:00バーナンキFRB議長の発言
08:15ラッカー・リッチモンド連銀総裁の発言
15:30白川日銀総裁の発言
22:30ピアナルト・クリーブランド連銀総裁
23:00バーナンキFRB議長議会証言
24:00ラッカー・リッチモンド連銀総裁の発言
25:15ウォルシュFRB理事の発言
外部環境はまだら模様の状況となっている。本日の東京マーケットも、ソブリン・リスクと米企業業績への期待感が入り混じった展開になる可能性が高い。
米株式引け後に、米半導体大手インテル(INTC.O)1-3月期の決算が発表された。前日に発表されたアルコアとは対照的に、売上高が103億ドル(市場予想98ドル前後)、1株利益が0.43ドル(市場予想0.38ドル)とともに市場予想を上回る内容となった。景気回復によるパソコン需要の拡大が寄与したかたちとなったが、これがアジアの株式市場にどこまで波及するかが、本日の焦点となりそうだ。米企業決算への期待感が株式を下支えしている状況を考えれば、日本225種は前日の下落を買い戻す動きが強まる可能性が出てくる。
そうなれば、為替や商品市場でもリスクテイクの動きが徐々に強まるシナリオも出てこよう。
株式でのリスクテイクが強まれば、円相場は欧州通貨を中心に買い戻し基調が継続する可能性が出てくる。逆なら、リスク回避の円高へ再び振れることを想定した方がいいだろう。
また、07:45に2月のNZ小売売上高、09:30に4月の豪ウエストパック消費者信頼感指数が発表される。結果いかんではオセアニア通貨主導で、午前の円相場の方向性が決まる可能性もあるため注視したい。
さらには、08:00にバーナンキFRB議長が経済に関して何らかのコメントを出した場合も株式、為替両市場で材料視されることも考えられる。
本日は午前より、経済指標から要人の発言まで"気の抜けない"一日となりそうだ。