矢内女王&甲斐女流二段特別対談 - 古民家カフェで花咲くガールズトーク!

矢内理絵子女王に甲斐智美女流二段が挑戦する第3期 マイナビ女子オープン(毎日コミュニケーションズ、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会主催)の五番勝負第1局が3月28日(日)、熊本県・「旧細川刑部邸」 にて行われる。

マイナビ女子オープンは2007年、将棋界としては15年ぶり5つ目のタイトル戦として創設された女流戦。優勝者には「女王」の称号が与えられ、優勝賞金は女流棋戦では最高額の500万円が授与される。甲斐女流二段は第1期以来、2年ぶり2度目の五番勝負登場。矢内女王は、2度目の防衛をかけて争う。

今回は「第3期 マイナビ女子オープン開幕直前特別対談」として、対局を控える両者をお招きし、普段は聞くことのできない私生活から気になる恋のお話まで、貴重なお話を伺った。(取材・文 : マイコミジャーナル編集部 / 撮影 : 中村浩二 / 撮影場所 : cafe紅(もみ)

私生活について

――最近、幸せだなぁって思うことはありますか?

矢内 : そうですね、将棋だけではなく、何に関してもそうなのですが、大勢の方に助けてもらっていると実感している時でしょうか。お会いしたこともないのに、私を支えてくださっていることが「温かいなぁ」、と日々感じています。マイナビ女子オープンのファンから「第○局のスポンサーになりますからね!(※)」と声をかけられることもあって、そうした人の支えに今、一番幸せを感じます。

※マイナビ女子オープンでは棋戦で唯一、個人が対局者のスポンサーとなれる制度が設けられている

甲斐 : 私は、姉の子供と遊んでいる時が幸せですね。6歳の女の子と4歳の男の子なのですが、2人と遊んでいると童心にかえることができて楽しいです。公園に行って、すべり台で遊んだりして。

――最近、はまっていることは?

矢内 : クイーンと嵐のアルバムを聞くこと! 特に嵐のアルバムは、最近お気に入りでよくドライブ中に聞いたりしています。個人的に好きなのは『Happiness』や『One Love』など。歌が聞き取りやすくて、何度聞いても飽きない。本当に、元気が出てきますよ。

甲斐 : フィギュアスケートは毎回かかさず見ています。観衆を引き込んでいくような演技をする選手に魅力を感じますね。男子なら、ブライアン・ジュベール(フランス)選手が大好き。女子だとやっぱり浅田真央ちゃん。

お互いのこと

――第一印象、そして印象と違ったところは?

矢内 : 甲斐さんの第一印象は、将棋の筋が良くて、すごく強くなるだろうな、でしたね。それから奨励会などでお付き合いがあって、第一印象と違ったのは、おっとりしていそうなんですけど、言うべきことははっきり言うところかな。それがとても理にかなっていて「一理あるなぁ」って思えるところが、甲斐さんの素敵なところだと思います。

甲斐 : 矢内さんは、都会的で上品なお嬢様という印象がありました。話してみると、さっぱりとされていて、芯が通っていて、外見とは違う印象を抱きました。

――お互い「うらやましい」と思うところはどこでしょうか。

矢内 : 甲斐さんのマイペースなところが羨ましい。もちろん、良い意味で。甲斐さんはいつも落ち着いていて、ひょうひょうとしているんです。私は結構、自分のペースを保ちたいと思いながら、何につけても崩してしまいがちなので。

甲斐 : 矢内さんの、いつもしっかりなされているところでしょうか。どんな時でも堂々と振舞われていて、いつもお手本になります。矢内さんは憧れの先輩です!

――奨励会時代の思い出はありますか?

矢内 : よく、仲間同士でマンガの回し読みをしたよね。当時、千葉(涼子)さんが『エースをねらえ!』や『ガラスの仮面』を持ってきてくれて、私はそれにはまった記憶があります。

甲斐 : 回し読み、していましたね! 矢内さんが『浦安鉄筋家族』を読まれていたのが印象に残っています(笑)。「たいしたマンガではないのだけど」って言いながら渡してくれた矢内さんに意外性を感じました……!

矢内 : うんうん、そうだった(笑)。少女マンガだと『ご近所物語』とか『花より男子』とか。懐かしいね。

昔の夢、今の夢

――小さい頃の夢はありますか?

矢内 : 最初の夢は看護師さん。でも予防接種で注射を打つ看護師さんの姿を見たら「針は刺せない」と思って断念しました(笑)。その後、ピアノを習うようになって、ピアノの先生になりたいなぁ、って思っていました。

甲斐 : バスケットボールが大好きだったので、小さい頃はバスケの選手になりたかったです。あとはスケートとかスノボとか。体を使って面白い動きをするスポーツが好きなので、憧れの職業でしたね。

――時間があったらやってみたいこと、2010年挑戦したいことは?

矢内 : 一人旅に行きたい! エジプトが大好きで、エジブト関連の企画展やTV、映画などは必ずチェックしちゃいます。いつか、エジプトに行って古代遺跡を見てみたいんですけど、まずは国内旅行からかな。一人でぶらり、特に下調べもせず、道に迷ってみたい(笑)

それと時間があったら、弓道、乗馬、ゴルフなどやってみたいですね。ただ、どれも誰かに教わらないとできない趣味ですから、なかなか気軽にはできないです。散歩が趣味なのですが、最近はジョギングも始めました。4km走って1km歩いたら、体が痛くて翌日は大変でした(笑)。少し時間を置いてからまた再開しました。

甲斐 : 私は、もし時間があってやれるならスケートをやってみたいですね。それと、2010年は料理が上手になりたい。時折、煮物とか餃子とか作ったりするんですけど、やっぱり実家暮らしなので、どうしても親に頼ってしまいがちなので。

恋のお話

――恋のお話も伺いたいと思います。バレンタインの思い出はありますか?

矢内 : バレンタインとかクリスマスといったイベントが、面倒くさいと思うように最近なってきました(苦笑)。記念日のために何かを用意するって、毎年毎年続くと大変ですよね。それよりも、ほしいときに「これが欲しいな」と伝えたり、あげたいときにあげたりする方がいいなと思うんです。

バレンタインの思い出だと、仕事でタイトル戦に行く機会があって、バレンタインチョコを関係者の方々にあげたのですが、ホワイトデーにお返しが来たのがとっても嬉しかったです。メッセージカード付で、文面は「今後のご活躍を期待しています」といった内容のものでしたが、私にとっては憧れの棋士の方でしたので、とても思い出に残っています。

――男性のここだけは「許せない」ところはありますか?

甲斐 : 難しい質問ですね(笑)。なんだか、とってもいばっていて、プライドの高い人は嫌……かなぁ。あと男性には女性の前では、見栄を張ってほしいなぁと思うことはよくありますね。最近、見栄を張らない男性が増えているような気がします。

矢内 : たしかに、男性は引っ張っていってほしいですね。そういう意味で言うと、草食男子という言葉が流行りましたけど、「草食は勘弁してほしい」って思います。女性からみて、頼りがいのある男性でいてほしいんですよね。

――読者の方へメッセージをお願いします。

矢内 : 第1期(マイナビ女子オープン)から2度目の顔合わせということで、楽しみにされていらっしゃる方もいられると思います。ネット中継もありますので、最初から最後まで楽しんでください。

甲斐 : 第1局は、熊本県「旧細川刑部邸」という由緒ある場所での対局となります。大舞台に負けない内容のある将棋を指したいと思っています。

さかもと未明先生からの応援コメントも到着!

矢内女王へ

何度も会って、銀座でお食事もしてお人柄に触れているので、失礼でなければ、友人として頑張って! 女王の座を守ってね。不動の強さを、"女羽生"になってほしいと思います。

甲斐女流二段へ

おしゃべりしたことはないんですけど、(第1期マイナビ女子オープンの五番勝負の時、対局場となった) 陣屋でお目にかかったのを記憶しています。振る舞いとか、お洋服の雰囲気などが楚々としていて、すごくかわいいのに、対局室に入るとすごく激しいものも感じました。人間はライバルによって磨かれると思います。すごくいいライバルがいるとお互い刺激しあうことで、全体のレベルも上がってくると思いますので、矢内さんをコテンパンにするくらいの勢いで挑んで、ドキドキした対局にしてください!

第3期マイナビ女子オープン五番勝負 日程

• 第1局 3月28日(日) 場所 : 熊本県・「旧細川刑部邸」 熊本県指定重要文化財
• 第2局 4月11日(日) 場所 : 岡山県・倉敷市芸文館 (午後より公開対局を予定)
• 第3局 4月19日(月) 場所 : 東京都・将棋会館
• 第4局 4月27日(火) 場所 : 東京都・将棋会館
• 第5局 5月11日(火) 場所 : 東京都・将棋会館

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cafe紅(もみ)

店舗データ
住所	東京都中央区日本橋小伝馬町8-5
open	火～木11:30～20:00 金11:30～21:00 土12:00～18:00
定休日	日・月・祝日(ただしイベント開催中を除く)
URL	http://www.momicafe.com/