昨年4月の『東のエデン』テレビシリーズ放送開始からやく1年を経て、ついに完結編となる『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』が3月13日に公開となった。この日、主人公・滝沢の"家"であり、ファンの聖地ともなった豊洲の劇場で初日舞台挨拶が行われ、ステージには神山健治監督や滝沢朗役の木村良平ほか「東のエデン」全メンバーが勢揃いした。

(前列左から)齋藤彩夏(みっちょん役)、早見沙織(森美咲役)、木村良平(滝沢朗役)、檜山修之(板津豊役)、神山健治監督、(後列左から)斉藤貴美子(おネエ役)、川原元幸(平澤一臣役)、田谷隼(春日晴男役)、江口拓也(大杉智役)

※今回の舞台挨拶は上映後に行われたため、キャスト陣のコメントには一部ネタバレに近い部分が含まれております。あらかじめご了承ください。

豊洲に届けて「初めてエデンが終わった」

会場となったのはこのシネコン最大である413人収容の10番スクリーン。満員の客席から大きな拍手で迎えられた神山監督は、公開初日を迎えた感想を「長らくお待たせしてしまいましたが、無事にお届けすることができました。皆さんがどういう感想を持ったかとドキドキしながら待っていたのですが、外まで聞こえるような拍手をいただき、感激しております」と語った。以下、ステージに立ったキャスト陣のメッセージを紹介していこう。

お互いにツッコミの入る、キャストのトーク

■木村良平(滝沢朗役)
「とりあえず、みんなオレんちにようこそ、ということで(笑)。この場所は僕にとっても皆さんにとっても思い入れのある場所だと思うので、ここに届けて、初めてエデンが終わったなという感じがします。ここに来て皆様に観ていただき、その空気を肌で感じることができて、すごく幸せな気持ちになりました。ありがとうございました」

■早見沙織(森美咲役)
「木村さんがおっしゃったように、すごく思い入れの強い場所なので、ここで皆さんにお会いできることがすごく幸せで、イスとかなでたい! みたいな(会場笑)。観てくださる方とキャストやスタッフの方の思いが一つになった中で育てていただいたことが感無量です。もっともっとこの作品を愛していただければと思います。ありがとうございました」

■江口拓也(大杉智役)
「こんなに広い劇場に立てた驚きで、言いたいことを忘れてしまいました! 今回の『劇場版II』で、大杉君が男になったなと……。最後のシーンがすごく印象に残っています。今日は本当にありがとうございました」

■川原元幸(平澤一臣役)
「今回平澤は重要なシーンを演じたのですが、それまでの緊張感のある流れのまま『うわ!』と言ったら、ダメ出しで『ここは大杉くんみたいに』と言われまして(笑)。そのシーンがとても印象に残っています。ありがとうございました」

■齋藤彩夏(みっちょん役)
「私は初めてこの豊洲に来たんですけど、すーーーーごい広いですよね!! さっきお手洗いに行ったんですけど、すごい広くて(早見)沙織ちゃんに『そこ立って』って言って写真をとっちゃいました! みっちょんは、さりげない優しさをコソっとあげられる人かなと思っていて、そういう温かいところを考えて演じるようにしていました。そんなところを皆さんに観ていただけたらと思います。ありがとうございます」

■斉藤貴美子(おネエ役)
「こんなに沢山の人に観ていただき、愛していただいて、ほとんど泣きそうです! おネエはみんなにとってお母さんというかお姉ちゃんというか、いつも割とみんなのことを見ている人だと思います。いつもみんながいるから私もがんばれました。おネエは結局謎が多いままですが、幸せです。ありがとうございました」

■田谷隼(春日晴男役)
「新宿でも舞台挨拶をさせていただいたんですけど、そのときに春日は萌えキャラだというトンでもない発言をしてしまったのですが、どうでしょう……(会場沈黙)。ムリがありますよね……萌えキャラです(笑)。すごい人数の方に圧倒されちゃって、コメントが浮かびません。すみません……はい! ありがとうございました!!」

■檜山修之(板津豊役) 「テレビ版ではまだゲストキャラのような感覚でしたが、今回の劇場二部作でエデンメンバーになれたかなと思います。板津はすごく頭のいいキャラですが、どう聞いても広島弁は頭が良さそうに聞こえないじゃないですか(注:檜山は広島出身)。どちらかというと頭で考えるよりはチャカ振る、みたいな(笑)。そういう広島弁のニュアンスを大事にしつつ、板津の頭の切れるところが表現できていたらいいなと思いました。ありがとうございました」



最後に、神山健治監督が会場のファンに感謝の言葉を述べて舞台挨拶を締めくくった。

■神山監督
「皆さんにお届けして、ようやくこの作品が完結したと思っています。全力を尽くして作品を作ってきたという自負はありますが、メンバーの"業"はまだまだ続いていきますし、作品を作っていてまだまだお別れしたくないという気持ちが湧いてきました。皆さんが応援してくれれば、メンバー達の冒険も続いていくと思いますので(会場拍手)、声援を送っていただけたらと思います。ありがとうございました」


「東のエデンcafe」第二弾開催中、VIPルームも

今回の舞台挨拶が行われたユナイテッド・シネマ豊洲では、併設のCAFE&BARラウンジBreatheにて「東のエデンcafe」第二弾が開催中だ。店舗には原画や作中の場面写真などが展示されているほか、マンゴーラッシーなど作品にちなんだメニューが提供されている。また、ドリンクを注文すると限定デザインのコースターがプレゼントされる。

作品でもこのラウンジのバーカウンターが描かれている

店内には作品カットや大型のパネル展示も

店内の階段を上がると奥には滝沢の部屋のモデルになった「VIPルーム」がある。シックでモダンな内装に、窓からは東京湾を一望するという贅沢なロケーション。舞台挨拶当日には関係者らがここを利用したそうだ。4月中旬まで、チャージ料0円のサービスも行われている。

夜景を眺めながらエデンのメンバー気分でパーティーができそうだ

■『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』
3月13日(土)よりテアトル新宿、テアトルダイヤ、ユナイテッド・シネマ豊洲ほか全国順次ロードショー
原作・脚本・監督 / 神山健治
キャラクター原案 / 羽海野チカ
配給 / アスミック・エース
(C)東のエデン製作委員会