FXオンラインジャパン ストラテジストの森宗一郎です。先週は大雪の展開で、関東地方が初雪に。その後は冬将軍が居座って冷たい毎日が続き、昼食もなかなか出かけにくく、ついついオフィスにこもってしまいました。寒くても、風が収まってくれればよいのですが、早くも春の兆しが待ち遠しい気持ちになっています。
先週は、リスク回避志向の一喜一憂があったにもかかわらず、継続的なリスク回避の地合いとなりました。
ギリシャの財政悪化問題がポルトガル・スペインに飛び火し、ユーロ周辺の新興国に対する懸念まで話題になっています。その上、米雇用統計の数値を受けて、米経済に対する見方も市場関係者の間でも意見が分かれ、早期の回復傾向になるかどうかも不透明な状態。もちろん、日本においても財務体質に対しての警戒感、新政権の迷走など懸念材料があり、日々消去法的な地合いで動いているという感じです。
今週は、週後半まではリスク回避的な地合いがどの程度拡大・縮小するのかという点で、やや模様眺めの展開になりやすいかもしれなません。週末のG7においては、ギリシャの話題・アジア向けメッセージが議題に上ったものの、イメージとして、前者はユーロ圏内の問題として報告され、後者は共同声明を出さないことでなんとも中途半端な結果となってしまいました。
北極圏に近い場所での会議は、早々に暖かいところに戻りたいがために問題提起・ポイントは何かを皆でお披露目した上で、継続議論していきましょう、という感じでしょうか? 一部関係者の間でも今回の開催場所選択に対する不満もあったようですが。
ギリシャの財政悪化問題をユーロ圏内で早期に解決できるかどうかは不透明。以前、財政安定化策はギリシャ側から示されましたが、問題はギリシャ国内でしっかりと履行されるかどうかがポイント。その後ギリシャは国債発行を予定通り行ったことで一旦は好感されたのですが、ポルトガル・スペインが国債発行額を縮小したことで、原資なき景気下支え懸念から、市場は警戒してきました。
ただ、市場でいわれている『PIIGS』(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)だけでしょうか? ユーロ圏内では比較的健全なフランス・ドイツという国がありますが、ユーロ圏外に目を向けてみればいかがでしょうか? ギリシャの問題と一時的な財政出動に伴って赤字があるとはいえ、ユーロ圏全体では対GDPでは8%程度に対して、実は日米英よりは数値の上では良い数値。そのうえで対外債務残高を考慮すれば、他にターゲットになる通貨・市場が出てくるのではないか?という意見が聞かれます。
ある意味、少子化が進み、構造的な転換がままならない日本にとっては、かなり耳が痛い話かもしれません。後者の点に関しては、格付け機関から厳しいコメントがすでに出ており、今年の参議院選挙の行方にも絡んで、不透明感が今年増幅すれば、日本が狙い撃ちになる可能性が出てくるかもしれませんが、まあ、まだ先の話になのであえて材料視されることは現状ではないと思いますが……。
そして、週後半には、米経済指標イベントがあります。
先週の米雇用統計では失業率こそ改善したものの、全般的な雇用改善といえるにはまだ程遠いですし、10月から2月までは公的機関の臨時雇用が増加しやすい時期でもあり、民間企業においては現従業員の生産性を持ってよい数値を保っている状態なので、正社員雇用増にまでまだつながりにくい状態。
雇用情勢の不透明さが緩和されるまでは一般消費者としても消費は控えるのが常、と考えれば、はたして小売売上高が良い内容になるかどうか。住宅関連の数値、ミシガン大消費者信頼感指数の数値と気になるイベントがあるうえに、欧州各国のGDPも発表されます。 ギリシャの話題がある中で、欧米経済の回復期待が出てくるのかどうかという点で見ていきましょう。
市場のリスク回避的な志向が根強い中では、ポジティブサプライズの話題が出てこない限り、戻りは限定的になると思いますが、下落方向へのリスク回避準備はしつつ、テクニカル的なショートカバーがどの程度入ってくるのかを見極めていきましょう。そのテクニカル的なショートカバーとして気になるのが、 来週から中国は旧正月に入り(いくつかのアジア諸国でも同様)、アメリカも月曜日は休日。 ここ2週間ほどリスク回避モードだったことから、ショート戦略も若干注意が必要かもしれません。
こういった中、気になる市場があります。商品市場の中でも、エネルギー及び資源関連です。 以前のリスク回避的な展開ではドル及び証券市場からの逃避先としてこれらの市場に資本が大量に流入し、新興国への思惑も手伝って、ファンド筋も押し上げてきた経緯がありましたが、今回のリスク回避先は、今一つ見出せず、まずは現金化という流れになっているかもしれません。
資源需要はあるとは思いますが、中国などが引き締めモードのうえ、他の新興国はやや慎重な姿勢を保っていることからファンド筋などの投機的なポジション解消に、解消思惑での売りが入っている可能性も指摘されています。IMM通貨市場においてもユーロとポンドのショートポジション(つまりドル買いポジション)が積みあがってきており、ドル及び米国に対してネガティブな要因が出た場合には、テクニカル的な買い戻しが優勢となる可能性があります。WT160ドル 金価格1015/20ドル水準が保たれるかどうかを見極めておきましょう。
今週は先週とは違って、一方向よりは行ったり来たりと上下動が結構見ることが多くなると思いますので、各個人投資家の皆様は自分の得意なスタンスで乗りきってください(もちろん、リスク管理は忘れずに)。
今週の主なイベント
| 2月8日(月) |
| (日) 12月国際収支-経常収支/貿易収支 |
| (加) 1月住宅着工件数 |
| 2月9日(火) |
| (豪) 1月NAB企業景況感指数/企業信頼感指数 |
| (欧-独) 12月貿易収支 |
| (英) 12月貿易収支 |
| 2月10日(水) |
| (日) 12月機械受注 |
| (日) 1月国内企業物価指数 |
| (中) 1月貿易収支 |
| (欧-仏) 12月鉱工業生産 |
| (欧-仏) 12月経常収支 |
| (欧-仏) 12月製造業生産指数 |
| (スウェーデン) 12月鉱工業生産 |
| (英) 12月鉱工業生産 |
| (英) 12月製造業生高 |
| (米) MBA住宅ローン申請指数 |
| (加) 12月国際商品貿易 |
| (米) 12月貿易収支 |
| 2月11日(木) |
| ( 祝日) 建国記念日 (日) |
| (豪) 1月失業率 |
| (スウェーデン) 2月Riksbank 政策金利発表 |
| (加) 12月新築住宅価格指数 |
| (米) 1月小売売上高 |
| (米) 新規失業保険申請件数 |
| 2月12日(金) |
| (NZ) 12月小売売上高指数 |
| (欧-独) 第4四半期 GDP季調済(速報値) |
| (欧-仏) 第4四半期 実質GDP(速報値) |
| (欧-仏) 第4四半期 非農業部門雇用者(速報値) |
| (欧) 12月ユーロ圏 鉱工業生産 |
| (欧) ユーロ圏GDP季調済 |
| (米) 2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) |