楽天証券は11日、東京証券取引所がリリースする次世代売買システム「arrowhead」に対応したトレーディング・ツール『マーケットスピード Ver9.0』を、2010年1月4日に提供開始する(予定)と発表した。

「arrowhead」は、注文の小口化や取引件数の急激な増加に対応するため、約定処理の高速性や信頼性において高水準の機能を搭載した次世代売買システム。連続約定気配の売買制度が変更されるほか、板情報の本数が拡充されるため、株価の変動がより活発になることが想定される。

楽天証券では、arrowheadに対応したトレーディング・ツール「マーケットスピード Ver9.0」を2010年1月4日から提供する。「約30万人が利用するマーケットスピードの最大の特長であるリアルタイム株価配信と簡便な操作性を、さらに向上させたインタフェースを顧客に提供する」(同社)としている。

『マーケットスピード Ver9.0』画面イメージ

主な機能として、「FLEX Full」に対応した「フル板」を提供。従来、証券会社などの金融機関でしか閲覧することができなかった全ての板情報(現在値・売り買い気配値・引け条件付注文・売買高・売買代金)を、個人顧客向けにリアルタイムで配信する。「ネット証券初」(楽天証券)という3種類の板表示機能により、大画面PCやマルチディスプレイなどの利用環境にも対応できる。

具体的には、「過去5分出来高機能」「板数量・板件数自動計算機能」「板検索機能」「フル板ザラバ情報画面の追加」「カスタマイズ機能の拡充」などを提供。過去5分出来高機能では、制度変更により急激な価格変動が想定されるため、ティックを「上昇」「継続」「下降」の3種に分け、5分単位で合算した出来高を表示する。これにより、「展開の早い場味の変化にすばやく対応することを可能とする」(楽天証券)。

板数量・板件数自動計算機能では、板画面上でマウスで範囲を選択するだけで、選択されたエリアに表示されている注文件数、注文数量をリアルタイムで自動計算する。

市況情報フル板画面上部にある板検索機能では、上下数十本の板の中から、自身の発注した注文価格などを入力すると、ワンクリックで前後の気配を表示することが可能。「最良気配の自動表示」「中心値自動表示」と切り替えて利用することで、目的に応じた気配値を表示できる。

マーケットスピードの人気機能である「ザラバ情報」に、500銘柄登録可能な「フル板ザラバ情報」を追加。チャート・ニュース・板を一括表示することができる。カスタマイズ機能も拡充、画面表示のカスタマイズ機能(マイページ)にフル板画面を登録することで、ドラッグアンドドロップによる銘柄変更機能や、注文約定画面やランキング画面との同時表示など、専用のトレーディング環境を構築できる。

また、「FLEX 100」に対応。気配値の表示を現在の上下5本から上下8本に拡大。歩み値の表示は、分単位から秒単位に変更する。

マーケットスピード Ver9.0のダウンロード開始日は、2010年1月3日を予定。利用料は、3,000円/3カ月(税込)となっている。ただし、「初めての利用」「信用取引口座、先物・オプション取引口座、楽天FX取引口座のいずれかを開設」「利用申請日前営業日の預り資産残高30万円以上」「PTS(夜間)取引を申請」「利用申請日時点で過去3カ月以内に手数料の発生する株取引などがある」、のいずれかの条件を満たす場合は無料で利用できる。

「フル板」サービスの利用料は、5,250円/月(税込)。ただし、利用開始日の前月において、国内株式(現物・信用・PTS)の約定回数が200回以上の場合、当月の月初から月末まで無料で利用できる。「FLEX 100」対応機能は、マーケットスピード Ver9.0を利用する全員が利用できる。