思考メモをマスターするには

――思考メモの具体的なルールはありますか?

B5ノート1冊は楽ですし、自由度の高い使い方が可能ですが、私は原則下記の5つのルールにのっとってメモをとっています。

  1. 日付と発言者の名前とテーマのタイトルを入れる(ルール1)
  2. 線や矢印で関連性を持たせながら書く(ルール2)
  3. 書いたものを後から見直して発想を付け加える(ルール3)
  4. たっぷりスペースをとって、1ページ1テーマで(ルール4)
  5. 色を使い分ける(ルール4)

――図2は箇条書きではだめなのでしょうか?

もちろん箇条書きでいいテーマもあると思いますが、そもそも発想というものは脳の神経細胞と同じで、全部つながっているんです。だから後から追いかけやすいように線や矢印で関連性を持たせる書き方がいい。「あのときこう考えていたんだ、じゃあこう加えてみようか」というように。箇条書きは「思考のぶつ切り」ですから、あとで見返したときに経緯が思い出せないんです。

――午堂さんご自身がメモを見返すのはどんなときですか?

電車の待ち時間、電車内で手持ち無沙汰のとき、待ち合わせをしていて暇なときなどにパラパラと見ます。打ち合わせしながら、「なにかアイデアはない?」というとき見返しますね。To Doリストも見返して期限までにできていないことは、次のTO DOを書くときに全部引き継いでいます。

――黒・赤・青の3色ボールペンをお使いのようですが、色はどのように使い分けているのですか?

大事なところを赤で囲んだり、追記するときは青を使ったりするシンプルな使い方です。なかには基本的に青で書くのがいいという人もいます。黒だと発想が沈んでしまうので、その点青だと新しい発想が出てくるし、人に見せるときもわかりやすい。それにみんな黒で書くから差別化できると。すごくおもしろい考えだと思います。でもあんまり多色使いで、「これはこの色、それはこの色」と分けるのは面倒くさいなあと個人的には思っています。

齋藤孝さん(明治大学教授)も3色ボールペンを提唱していますよね。ちなみに私は、シャープペンを使いません。消さなければいけないケースもあまりないですし、書いたものは基本的に残しておいたほうがいいと思うので。付せんも持ち歩いてます。それと人に説明しながら書く時はサインペンがおすすめ。太いから見やすいです。

午堂さんのカバンの中身を見せてもらった

(次週は、脳を「見える化」して夢をかなえる「ブレイン・ワークアウト」についてお話を伺います。)

(撮影 : 中村浩二)

INTERVIEWER PROFILE : 早川洋平 / KIQTAS(キクタス)

中国新聞社記者、全国紙系編集プロダクションのライターを経て入社した企画会社で2008年、良書の著者にインタビューするポッドキャスト「人生を変える一冊」をスタート。配信後2カ月でiTunes store podcastビジネスランキングで21日間連続1位を獲得、月間20万DLの人気番組に成長する。独立起業した現在は、インタビューやライティングに加え、ポッドキャストを軸にしたコンサルティング、コンテンツプロデュースなどを行っている。
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