日銀が10日発表した8月の国内企業物価指数(速報、2005年平均=100)は前年同月比マイナス8.5%の102.9だった。前年同月比、指数ともに最大の下落幅となった7月と同じとなった。

企業物価指数は、企業間で取引される財の物価の変動を示すもので、景気動向や金融政策の判断材料を提供する目的がある。国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数から構成されている。

国内市場向け国内生産品を対象にした「国内企業物価指数」が前年水準を下回るのは8カ月連続。原油が高騰した昨年との比較により、「石油・石炭製品」は前年同月比マイナス42.9%の下落に。「非鉄金属」(マイナス24.0%)や「鉄鋼」(18.5%)も下落幅が大きい。同指数の前年比での下落幅マイナス8.5%のうちマイナス3.86%分は「石油・石炭製品」によるものだが、前月比での比較では3月以降徐々に上がってきており、8月も前月比は0.8%のプラスだった。

日銀調査担当局の担当者は「原油市況に合わせ、『石油・石炭製品』は(前月比で)上がっている。昨年の『石油・石炭製品』の指数は8、9月から急激に下落しており、今年も同じような大幅な下落がなければ、前年比でのマイナス幅は縮小していくのでは」と話している。

輸出物価指数(円ベース)は90.2で、前年同月比マイナス14.5%の下落となったが、前月比では1.1%のプラスとなった。輸入物価指数(円ベース)は102.5で、前年同月比マイナス34.6%の下落。前月比では0.3%のプラスだった。契約通貨ベースでは輸出物価指数が前年同月比マイナス5.1%の下落、輸入物価指数が同マイナス26.9%の下落となった。