帝国データバンクがまとめた「景気動向調査(全国)」によると、2月の景気動向指数(景気DI※)は前月比0.7ポイント減の18.6で、12カ月連続で悪化。過去最低の更新は2008年11月より4カ月連続となった。業界別、地域別とも悪化基調に歯止めがかからず、「国内景気の後退が続いている」(同社)。

※景気DIは0~100の間で示され、50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超過を意味し、50が判断の分かれ目となる。

業界別では、10業界中7業界(建設 / 製造 / 卸売 / 小売 / 運輸・倉庫 / サービス / その他)が悪化。なかでも小売は、所得や雇用環境の悪化による生活防衛意識の高まりによって2カ月ぶりに悪化し、過去最低を更新した。一方の金融は前月比0.5ポイント改善。最も高かった「農・林・水産」(28.3)と最も低い「運輸・倉庫」(15.9)の差(その他は除く)は12.4ポイント。前月より2.6ポイント増加となり、2カ月連続で拡大した。

地域別では、7地域(東北 / 南関東 / 北陸 / 東海 / 近畿 / 中国 / 九州)で悪化した。特に「東海」(16.9)は前月比0.1ポイント悪化。12カ月連続で悪化して過去最低を更新した。低水準が続いており、全国最低に落ち込んだ「東北」「北関東」「北陸」の3地域(いずれも16.6)に次ぐ水準となった。内外需の低迷や深刻な自動車不況の影響が要因とみられる。なお最高となった「四国」(21.7)と最低の「東北」「北関東」「北陸」との差は5.1ポイントで、前月比0.2ポイント減と2カ月ぶりに縮小した。

また、先行き見通しDIは「3カ月後」が21.4で、9カ月連続悪化した前月と同水準。「6カ月後」(23.9、前月比0.7ポイント増)、「1年後」(30.9、0.9ポイント増)はやや改善したものの積極的な好材料はなく、「国内景気の後退は続くとみられる」(同社)。詳細はこちらより見ることができる。