2009年のバレンタイン商戦では、男性から女性へチョコレートをプレゼントする「逆チョコ」なるものまで登場。女性が男性へ愛の告白をするというバレンタインデーの"定義"も変化しつつあるようだ。その"異変"は各社が発表しているバレンタインに関する意識調査結果にも現れている。そこで今回は「不況を理由に彼女からのチョコレートも削減される?」、「バレンタインデーは土曜日だけど、義理チョコに期待していいの?」など悩める男性のため、2009年のバレンタイン予報と題し、バレンタインチョコをあげる側・もらう側の傾向を各社の調査結果から分析してみた。

不況でもチョコレートの予算はアップ、でもプレゼントは若干安め!?

大不況と言われる中、一見バレンタインチョコにお金をかけている場合ではないだろうと考えがちだが……大はずれ。調査によってチョコレートの予算平均額は異なるものの、いずれにおいても前年とほぼ同額かアップ。本命チョコの予算平均額は、プランタン銀座の調査では前年比275円増の3,325円、マクロミルの調査では前年(2,217円)と同等の2,201円だった。なお、マクロミルが前年との比較を尋ねたところ、本命チョコの「予算を上げる」と回答した人は15%と、「予算を下げる」(3%)を10ポイント以上も上回った。

チョコレート1個当たりの購入予算平均

調査元 本命チョコ 義理チョコ 自分用チョコ
プランタン銀座 3,325円 1,172円 3,167円
マクロミル 2,201円 826円 2,034円
森永製菓 1,714円

ただし、チョコレートに添えるプレゼントの出費は抑える傾向で、プランタン銀座の調査では平均予算8,103円と前年比2,115円の大幅ダウンとなった。バレンタインの総予算は抑えつつ、メインのチョコレートは豪華に見せたいという工夫ともとれる。

今年は土曜日……でも義理チョコはもらえる!?

今年のバレンタインデーは会社が休日の土曜日。しかしプランタン銀座の調査によると、義理チョコの予算は1,172円と、2002年の調査開始以来の最高値を記録している。義理チョコの総個数においても前年とほぼ同値の7.7個で、前日などに上司や同僚へきちんと渡したいと考えていることが窺える。また、東ハトの調査でも「前日or後日会った時に渡す」という選択が約4割で最多。もちろん「休日をイイことに無かった事とする!」という回答も3割を超えたが、郵送などで「キッチリ当日にお届け」する女性が12%も存在したとのこと。一体どのように渡すのかが気になるところだが……。

そもそも、義理チョコを会社で渡すべきかということには賛否両論あるだろう。マクロミルの調査によると、義理チョコ否定派の女性は71%と圧倒的に多い。その理由は「面倒」、「お金がかかる」、「相手に気を遣わせるのが悪いから」など女性の本音が窺える。一方肯定派は「コミュニケーションを深める」や「日頃の感謝の気持ちを表すいい機会」などを理由として挙げている。コミュニケーションツールとしての義理チョコの役割というものは否定できない面もあるのだろう。

一方のホワイトデーも土曜日。ということで、男性の義理チョコへのお返しが気になるところだが、東ハトの調査で最も多かった回答は「休日をイイことに無かった事とする!」(41%)。これを見た女性は「義理チョコ、やっぱりあげるのやめた!」と思わないのだろうかと、少々心配なところだ。

"逆チョコ"登場で男性もチョコを贈る時代到来! 女高男低の傾向強まる

今、バレンタインの話題の中心になっているのは、本来はもらう立場の男性が女性へバレンタインチョコを贈るという"逆チョコ"現象。森永製菓の調査において、男性の72.8%が「バレンタイン時期に、女性へチョコを贈っても良い」と回答。さらに女性からバレンタインチョコが欲しいとねだられた場合は、90.8%の男性がチョコを贈るとしている。その場合、「愛情」よりも「感謝」や「友情」、「シャレ」という気持ちで、比較的手頃なチョコレートを贈るようだ。一方女性の立場からは、「気が利いている」(66.7%)、「素敵」(44.3%)と高評価だが、今後"逆チョコ"は定着するか否かは未知数。来年以降の動向が注目される。

今やバレンタインチョコは告白ツールではない!?

バレンタインデーは女性が男性へ愛の告白をする日という認識があったが、いつの間にか意味合いが変わっていたようだ。プランタン銀座が女性へ「あなたにとってバレンタインデーとはどんな日ですか」と尋ねたところ、最も多かったのは「彼やパートナーに愛情や感謝を伝える日」(50%)で、次に「お世話になった人への感謝の気持ちを伝える日」(20%)と続いたが、3位には「世界中のチョコが楽しめる『チョコレート博覧会』」(17%)がランクインする始末。

実際にバレンタインデーに告白した(された)経験について、らくらく連絡網の調査では「ない」が男性で62.1%、女性で60.2%と6割を超えた。世代別でみると、40歳以上では「ない」が男性43.5%、女性39.0%にとどまったが、19歳以下の世代になると男性66.9%、女性69.2%と大半が経験なし。今の若い世代にとってのバレンタインデーは、"単にチョコレートをあげる日"になっているのかもしれない。バレンタインデーに気になる異性から告白を期待している男子にとっては少し寂しい結果だが、約3割の28.5%が「バレンタインデーに告白したい人がいる」と答えた調査結果もあるので、まったく期待できないというワケでもなさそう。

2009年は男女の垣根を超える"逆チョコ"など、ますます多様化が進んでいるバレンタイン。今やあげる立場、もらう立場のどちらになるか予測できないが、読者の皆さんのバレンタインが幸福でありますように-。