さて、次は静岡・沼津市でブルワリーとパブを経営するブルワリーとパブのベアード・ブルーイングによる「クラフトビールとウイスキー樽熟成」のセミナーである。

ウイスキーとビールは原材料がほぼ同じで、製造工程も似ている。しかしウイスキーは最後に蒸留・樽熟成という工程がある。今回のようにウイスキー樽でビールを熟成させるというのは珍しい。ここでは定番5種類のビールと、ウイスキー樽熟成のビールを試飲することができた。

写真前列中央がウイスキー樽で3カ月以上熟成させたビール

満を持して出されたウイスキー樽熟成のビールはバニラ、キャラメルといったリッチで濃厚な甘みから、山羊チーズのような凝縮感があり、スパイシーさも潜んでいる。ベアードビールに共通して感じる複雑さ、味の分厚さが感じられ、食後酒として面白いと思った。ウイスキー樽にはスコットランド西のアラン島にあるアラン蒸留所のものを使用したが、将来的にはアイリッシュやジャパニーズの樽を使用したシリーズも手掛けていきたいそうだ。

「ウイスキーは特有の匂いが苦手で……」という先入観を持っている方には、前述のウイスキーとシードルを合わせたカクテルや、チョコレートとのマッチングを試していただきたい。なお、マッチングの際にウイスキーをストレートで飲む場合は注意してほしいことがある。ウイスキーはアルコール度数が40度~50度近くある。これをワインのテイスティングのように舌の上で転がすと、舌が麻痺してしまう。

ウイスキーと相性がよい葉巻。購入し、喫煙所で吸うことができる

ウイスキーでも舌や歯茎全体でテイスティングするのは当然だが、いきなりウイスキーを舌に垂らしたら刺激が強すぎるので、そっと口を湿らせる感じで、口内で立ち上る香りを楽しみながらゆっくり舌に馴染ませるようにする。そうすれば深い味わいや余韻が感じられるだろう。

しかし、決してストレートで飲むのが通というわけではない。ロックがいいのか水割りがいいのか、詳しい人に相談しながら好みの飲み方、好みの味を見つけるといいだろう。