各地の温泉を実際に歩き、肌で感じた感覚やそこで得たインスピレーションをもとに絵を描く横尾忠則の「温泉」シリーズを展示する「横尾忠則 温泉主義」が日本橋の西村画廊で開催されている。

「文明と文化の衝突」2007(那須温泉)oil on canvas 162.1x130.3cm

「草津よいとこ一度はおいで」2006(草津温泉)acrylic, collage on canvas 60.6x50cm

横尾忠則は1960年代初めにグラフィック・デザイナーとしてデビューして以来、演劇・映画・音楽など幅広い分野で活躍。1981年から画家としての活動が多くなり、多様な主題を従来の美術理論の枠組みにとらわれない独自のスタイルで表現する作品を数多く発表。その独自な感覚に基づいた創作活動は国内のみならず海外からも高い支持を得ており、各地の美術館で回顧展が開催されたり、2006年にはパリのカルティエ財団で個展が開催されるなどしている。また2008年は4月19日から6月15日まで世田谷美術館、6月28日から8月24日まで兵庫県立美術館で「横尾忠則・冒険王」が開催される。

このたび開催されている「横尾忠則 温泉主義」では、最新の「温泉」シリーズの絵画15点を展示する。これは全国各地の様々な温泉地へ横尾が出向き、肌で感じた感覚やそこで得たインスピレーションをもとに絵画を制作するもので、フリーペーパー「5l」(ファイブエル)にエッセイと共に連載中のもの。大きいものでは150号の作品も展示されている。

西村画廊では「温泉地に漂うノスタルジックで懐古的な日本情緒が、横尾さんのヴィジョンの中で過去の思い出や訪問時の様々な体験とかき混ぜられ、新しい絵画世界として構成されている」と見どころを話している。なお、新刊『横尾忠則 温泉主義』(新潮社/3,200円(税別))を読むとより一層興味深い世界が発見できるとのことだ。

展示会名称 : 横尾忠則 温泉主義
会場 : 西村画廊 東京都中央区日本橋2-10-8
会期 : 3月11日(火)~4月12日(土)
時間 : 10:30~18:30
料金 : 無料
休廊 : 日曜/月曜/祝日