そごう美術館(神奈川県横浜市西区、そごう横浜店6階)は2月29日より、松伯美術館所蔵「上村松篁展」を開催する。上村松篁の初期から晩年に至る作品が一堂に展覧され、気品溢れる花鳥画の世界を堪能できる。期間は3月24日まで。
上村松篁は明治35年(1902年)に女流画家上村松園の長男として京都に生まれた。幼い頃から母の傍らで絵に親しんできた松篁は、ごく自然に画家を志し、大正10年(1921年)に19歳の若さで帝展初入選。花鳥画家として官展を中心に華々しい活躍をみせた。戦後も仲間とともに"創造美術"(現在の創画会)を結成して新たなスタートを切った。そうした画業に対し昭和59年(1984年)、松園に続いて親子二代、文化勲章が贈られた。
展覧会では、奈良の松伯美術館の所蔵品より、近代日本画壇に多くの花鳥画を残した松篁の帝展初入選の作品をはじめ、初期から晩年に至る代表作65点と下絵10点を展覧する。常に生き物への愛着と自然への深い愛情を持って、伝統と創造をめぐる試行錯誤の中で到達した松篁の花鳥画は、繊細で優美、そして気品に溢れ、見る者に深い感動を与えてくれる。
3月8日には松篁の素顔を知る絶好の機会として、松篁の長男でもある日本画家、上村淳之氏によるギャラリートークが開催される。3月1日には松伯美術館学芸員の鬼頭美奈子氏がギャラリートークを行う。各日14時より。
時間は10時~20時(入館は閉館の30分前まで)。会期中無休。入館料は大人900円、大学・高校生700円、中学生以下無料。