【仙石原温泉】
仙郷楼 別邸 奥の樹々(せんきょうろう べってい おくのきぎ)
創業137年。老舗の離れで樹の香に包まれて
庭園に咲く白や水色のアジサイの花が夏を連れてくると、ナデシコ、オミナエシ、ミズヒキなどが順に季節を彩ってゆく……。別邸「奥の樹々」は、創業137年の老舗旅館の敷地内に05年にオープンした、実に落ち着いた佇まいをみせる極上の和空間。樹齢90年の山桜に導かれて進むと、端正な数寄屋造りの平屋にわずか6組だけのゲストを迎える贅沢な離れが現れる。玄関から客室までは畳敷きの長い渡り廊下が続き、客室に入ると目の前には箱根の雄大な山並み。食事部屋と露天風呂につながる寝室はそれぞれに十分な広さを確保し、露天風呂には源泉かけ流しの濁り湯が惜しみなく注がれている。
湯上がりは月見台に佇み、風に揺れる葉音や木々の香りなどに五感を研ぎ澄ます。夕闇とともに輝きを増す月の光に導かれるように、ただただ月や自然を愛でる……ここでは、そんな過ごし方が似合う。夕食には客室の食事部屋で手作りにこだわった懐石料を用意。一度部屋に篭ったら、その居心地の良さに一歩も外に出たくなくなってしまう、癒しのすべてを結集したような宿だ。
料理
月替わりの懐石料理を客室で気兼ねなく
相模湾や三島から仕入れた魚を中心に、その時季一番おいしい旬の食材を全国から取り寄せて、すべて手作りにこだわった月替わりの懐石料理は、一皿ずつ絶妙なタイミングで運ばれてくる。先付、前菜、吸い物、煮物、焼き物のほか、和牛ロースのステーキや土鍋で炊いた炊込みごはんも好評。また、生の状態で仕入れる地魚のお造りは新鮮でくさみがまったくない。有田焼の器や創業当時から大切に使っている漆器にも目を配りたい。二人で会話を交わしながら、客室の食事部屋で気兼ねなく夕餉を楽しもう。
※料理の写真は一例です。季節やその日の仕入れによって異なる場合もありますのでご了承ください。
先付は、静岡産のお茶の葉を粉状にして仕立てた「新茶の豆乳ムース」。裏漉しした豆腐とヨーグルトソースでいただく体に優しい1品 |
伊豆の天然ヒラメ、小田原のアカイカ、クルマエビほか、利尻産の生ウニや本マグロなどのお造り。地元で獲れた天然の白身魚は特に新鮮! |
客室
離れに篭り、樹々を仰ぎ
湯三昧に興ずる
「馬酔木」「端木」「楢」……など客室に付けられた植物の名前は、部屋に面する庭でその樹々を愛でることができるため。自然を活かしつつ建てられた離れは、25坪から35坪のゆったりとした広さを持つ客室が6つだけ配されている。すべてに10畳の食事部屋と寝室が備わり、個性豊かなデザインの家具や月見台も据えられている贅沢な客室だ。ウッドデッキを見渡せば、美しい山並みを借景に白濁した硫黄泉がこんこんと注がれる露天風呂。心地よい湯音を耳にしながら濁り湯を存分に堪能したら、月見台に腰掛けて静かに更けゆく夜をしみじみと感じよう。
お風呂
乳白色の湯があふれる湯船で月見風呂
かすかな硫黄の匂いに導かれ障子戸を開ければ、そこには肌ざわりがよいインド砂岩の湯船の露天風呂。温泉情緒にあふれた乳白色の源泉(酸性-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉)がなみなみと湛えられている。もちろん100%かけ流しなので、効能も豊か。肌にまとうような湯に身を浸し庭の木立を見渡す開放感に、体がゆっくりと解きほぐされていく。また、本館のほうにも大涌谷から引き湯した温泉をかけ流しで満喫できる露天風呂と貸し切り露天風呂もあるので、湯巡りも楽しみだ。
仙郷楼 別邸 奥の樹々(仙郷楼本館と同じ)
TEL 0460・84・8521(仙郷楼本館と共用)
神奈川県箱根町仙石原1284
料金 / 和洋室4万2,000円~、和室2間4万2,000円~(平日・休前日ともに) (1室2名利用で1泊2食の1名分)
●客室 / 和2間4、和洋2 ●風呂 / 全室露天風呂付き ●給湯状況 / 源泉かけ流し ●泉質 / 酸性-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉 ●日帰り入浴 / 不可 ●食事場所 / 客室 ●施設 / ラウンジ ●駐車場 / 60台(本館と共用) ●チェック / イン14:00 アウト11:00 ●カード / 可(VISA / MASTER / UC) ●アクセス / 〈車〉東名高速道路御殿場ICより小田原厚木道路・国道138経由で約15分 〈電車〉小田急箱根湯本駅より小尻桃源台行きバスで約30分、仙郷樓前下車すぐ ●送迎 / なし
*上記のデータは2007年7月1日現在のものです。