東日本旅客鉄道(JR東日本)と東海旅客鉄道(JR東海)、西日本旅客鉄道(JR西日本)は16日、IC乗車券の連携による新サービスを提供すると発表した。モバイルSuicaでJR東日本の新幹線をチケットレスで利用できるサービスなどが盛り込まれている。サービス開始は2008年3月の予定。

新サービスは以下の3項目。

  1. 相互利用エリアの拡大

    2004年8月から相互利用が開始された「Suica」(JR東日本が発行)と「Icoca」(JR西日本が発行)に加え、JR東海が発行する「TOICA」でも相互利用が可能になる。TOICAとIcocaは2007年夏以降、利用エリアを拡大。TOICAは名古屋と静岡エリア、Icocaは2007年夏以降に大阪と岡山・広島エリアで利用できるようになる。今回の連携により、たとえばSuica1枚で、従来はIcocaでなければ乗車できなかった「名古屋・静岡エリア」内の在来線に乗ることが可能。しかし、各エリア内での利用に限定されるため、たとえばSuicaで東京(Suicaエリア)から乗車し、名古屋(TOICAエリア)で下車することはできない。
  2. 東海道新幹線への「エクスプレス予約ICサービス」導入

    東海道新幹線と在来線の乗り継ぎがスムーズに行えるサービス。JR西日本とJR東海が共同で提供している会員制ネット予約サービス「エクスプレス予約」会員に向けて新たに発行する「エクスプレスICカード」で東海道新幹線に乗ることができる。これにより、たとえば新宿からSuicaで乗り、東京で「エクスプレスICカード」とSuicaの2枚を重ねて新幹線乗換改札機にタッチすると、東海道新幹線に乗車できる。さらに新大阪で降りた後もSuicaで大阪まで行くことができるため、切符をその都度買わずにスムーズに移動ができるという。同サービスは「エクスプレスICカード」とSuica・Icoca・TOICAの各カードを2枚重ねて使う「組み合わせ型サービス」と、TOICA機能が付いた「エクスプレスICカード」や「エクスプレス予約」のICサービスを利用できるモバイルSuica端末を利用した「一体型サービス」の2種類がある。
  3. モバイルSuicaで新幹線利用

    モバイルSuicaでJR東日本の新幹線をチケットレスで利用できる「モバイルSuica特急券」のサービス。また、モバイルSuica会員は「エクスプレス予約」の会員にもなればモバイルSuica1台で新幹線・在来線相互間をスムーズに利用できるという。